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トヨタがイタリア車を意識した!? 一代限りの「ヴェロッサ」が目指したものとは? 3年を待たずに終売、今やレア車として注目です

トヨタ ヴェロッサ:足まわりはマークIIよりも硬めの味付けでスポーティさを強調していた

イタリアンな雰囲気にまとめられていた

トヨタ「チェイサー」「クレスタ」の後継車種として2001年に7月に登場した「ヴェロッサ」。クレスタの「高級パーソナルセダン」を継承していますが、ボディデザインは大胆なスタイリングとなっていました。どんなクルマだったのかあらためて振り返ってみます。

「エモーショナル セダン」をテーマに開発

トヨタのミドルクラスセダンとして、一時は日産「マーチ」やホンダ「シビック」などのコンパクトカーをも上回る販売台数を記録したトヨタ「マークII」と、その兄弟車である「チェイサー」と「クレスタ」は、「マークII 3兄弟」として長きにわたってトヨタの人気車種として君臨してきた。

ただ徐々にセダン需要が縮小してきたこともあって、2000年10月をもってチェイサーとクレスタは生産終了となり、3兄弟体制は終焉を迎えることとなり、マークIIのみが9代目へとフルモデルチェンジを果たした。その9代目マークIIの新たな兄弟車として2001年7月に遅れて登場したのがヴェロッサだ。

一応、チェイサーとクレスタの後継車種という扱いとなっているが、チェイサーを扱っていたネッツ店では販売されず、クレスタを販売していたビスタ店系列で販売されていた。キャラクターもチェイサーやクレスタとは異なる、「エモーショナル セダン」をテーマに開発されていた。

プラットフォームこそ9代目マークIIと共有しているが、エクステリアデザインは彫刻のように掘りの深い面と柔らかな曲線を組み合わせた情感あふれるデザインをまとっていた。車名もイタリア語の真実(Vero)と赤(Rosso)を組み合わせた造語で、イタリアンな雰囲気となっている点が特徴だ。

インテリアも楕円の金属調リングをエアコン吹き出し口に採用したほか、マークIIとは異なるインストルメントパネルを備え、室内照明色を赤で統一するなど、保守的なチェイサー/クレスタとは異なるアプローチのモデルとなっていた。

エンジンは3種類用意されていた

パワートレインはマークIIと共通で直列6気筒2Lの1G-FE、直列6気筒2.5Lの1JZ-FSE、そして直列6気筒ターボの1JZ-GTEを用意。ターボモデルには3ペダルMTも設定されていたほか、足まわりはマークIIよりも硬めの味付けでスポーティさを強調していたのもポイントで、専用のサウンドチューニングが施された排気系を持っていた。

さらに2002年1月にはモデリスタから「スペチアーレ」と名付けられた特別仕様車がリリースされた。ターボエンジンを搭載した最上級グレードの「スペチアーレVR25 SG」ではヤマハが手がけた専用ターボチャージャーなどによって最高出力が300psに高められるなど、よりホットなモデルに仕上げられていた。

ただこのクラスのトヨタのセダンを新車で購入するような層には、このグラマラスなイタリアンデザインがなかなか受け入れられなかったようで、マークIIよりも早い2004年春に終売となり、後継車種が設定されることもなかった。

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