空気を切り裂くようにデザインされたピュアでエレガントなライン
クリーンでエレガントなデザインがウアイラ エピトメを特徴づけており、特別プロジェクトに専念するパガーニ・アウトモビリの部門「グランディ・コンプリカツィオーニ」によるカスタムメイドされた部品で際立っている。まったく新しいフロントとリアのバンパー形状、専用のライトクラスターと新しいホイールアーチのエアエクストラクションシステムを備えたフロントフード、特大のサイドコンベアと一体化したウイングを備えたリアフードなどは、このワンオフモデルを「時代を超越した」デザインとエンジニアリングの一部にしている。
フロントエンドには、スプリッター一体型の新型バンパーが採用されている。これは、ダウンフォースを増大させ、あらゆる走行条件下でクルマのバランスをとり、インナーラジエターダクトへのエアフローを加速させるために、顧客の要望で設計されたものである。口が広くなったことで、新しいインナーダクトへのエアフローが増え、エアロダイナミクスが最適化され、フロントラジエターの効率も向上している。
ライトユニットも専用デザインである。ウアイラ エピトメはパガーニのワンオフモデルの中で唯一、フロントフードに4つのライトユニット、バンパーに2つのデイタイム・ランニングライトが取り付けられている。リアは、ウイング一体型のボンネットを望むクライアントの要望に従い、完全に再設計された。これは、芸術と科学の統合であり、パフォーマンスを向上させるだけでなく、ウアイラの特徴的なエレガンスを維持しながら美観を高めるデザインである。
ウイングサポートはフードのサイドの筋肉から有機的に発達し、ユニークな彫刻的要素を生み出している。そのため、すべての形状が、まるで風によって彫刻されたかのように、クルマのラインに連続性を与えている。ウイングに採用された新しいエアロダイナミクス・プロファイルは、ウアイラRの研究に基づいて設計され、どのような走行状態においてもクルマのバランスを最適化することを目的としている。リアライト用の新しいエアロダイナミクスカバーも、気流の抵抗を減らすために設計され、ボンネット上の層流境界層を拡大し、クルマのリアにアグレッシブでユニークな外観を与えている。
グランディ・コンプリカーツィオーニ部門とは
本来、技術的な発明には複雑な設計が要求されるため、ごく限られた数量しか製造できないものがある。高級時計の世界ではそれを「グランデ・コンプリカシオン」と呼ぶが、パガーニ・アウトモビリはこのインスピレーションに敬意を表し、数少ない熟練職人のみが実現できる複雑な技術を搭載した超限定シリーズカーの製作を専門とする部門を設立した。この部門は、コンセプト、形状、要素から素材、色、仕上げに至るまで、無限のカスタマイズを提供する。細部に至るまで、クライアントとの完全な相乗効果によってデザインされ、あらゆる要望を満たし、完全なオーダーメイド作品を創り上げる。
AMWノミカタ
「エピトメ」というモデルネームを調べてみると、「縮図」であるとか「権化」という言葉が出てくる。このワンオフモデルは顧客のオーダーによって作られたワンオフモデルではあるが、顧客のアイデアを具体的な形に変えるために、9カ月かかり、さらにその後10カ月もの時間をかけてさまざまな専門分野のチームとともにデザイン・設計されたという。その名の通りこのモデルはパガーニのブランドを背負ったデザインとテクノロジーと情熱の「縮図」のようなモデルである。
大富豪の悪ふざけと言ったら言葉が過ぎるかも知れないが、真剣な大人の悪ふざけが世の中を変えてきた。このモデルもパガーニの歴史を彩る伝説の1台となることであろう。