クルマを文化する
REAL CAR CULTURE

AUTO MESSE WEB

クルマを文化する
REAL CAR CULTURE

AUTO MESSE WEB(オートメッセウェブ)

  • TOP
  • CAR
  • ずばり、ライバルはトヨタ「ヤリス クロス」とホンダ「ヴェゼル」…オペル「モッカ」に日本市場で活躍して欲しい私的な理由とは【Key’s note】
CAR
share:

ずばり、ライバルはトヨタ「ヤリス クロス」とホンダ「ヴェゼル」…オペル「モッカ」に日本市場で活躍して欲しい私的な理由とは【Key’s note】

投稿日:

TEXT: 木下隆之(KINOSHITA Takayuki)  PHOTO: 木下隆之(KINOSHITA Takayuki)

  • オペルメッカ
  • オペル モッカ:どっしりとしたリアビューで存在感がある
  • オペル モッカ:試乗したのは1.2Lターボ。直列3気筒だが力強い走りを披露
  • オペル モッカ:メーターは大型ディスプレイで見やすい
  • オペル モッカ:グリル一体型ヘッドライトなどを採用し個性的なフロントマスクに
  • オペル モッカ:リアへ伸びる力強いデザインが特徴的だ
  • オペル モッカ:ブラックのエンブレムがとてもスポーティ

オペルの最新コンパクトSUVを試してみた

レーシングドライバーであり自動車評論家でもある木下隆之氏が、いま気になる「key word」から徒然なるままに語る「Key’s note」。今回のキーワードは「オペル」についてです。ドイツにも拠点を設け、ニュルブルクリンクでのレースに参戦する筆者。現地での移動手段としてオペル「モッカ」に試乗し、パフォーマンスを体感しました。オペルブランドへの思いなどを語ります。

日本市場再導入を発表するも……

「おいおい、いいクルマ持っているじゃないか」

オペル「モッカ」をドライブしてまず、最初に発した言葉はそれでした。

欧州を中心にした魅力的なブランドを揃えるステランティスは日本市場にも積極的に展開しているのですが、そのなかのひとつであるオペルブランドの再上陸を数年前に発表しました。

とはいうものの、日本の若い方にはあまり馴染みの薄いブランドでしょう。オペルはドイツ車として長い歴史を持ち、かつては日本市場に正規輸入されていました。輸入最大手のヤナセが手がけた時期もありましたし、オペルジャパンも設立されていました。フォルクスワーゲンの背中を追うようなフレンドリーなブランドとして存在感を示していたのです。

ですが、決定的なヒット作が継続的に生まれなかったことや、経営の混乱により、たびたび合従連衡の荒波に翻弄され、身売りが続くといった悲劇が続いたのです。GM傘下に組み込まれてからは、本体であるそのGMすらも経営破綻したというのですから、恵まれてはいませんでしたね。2006年を最後に日本市場からひっそりと撤退していたため、馴染みがないのも理解できます。

という沈黙の時期を経てステランティスジャパンが2020年1月、そのオペルブランドを2022年に日本市場へ復活させると発表していたのです。今回ドイツ本国にて、オペルの最新人気モデルを試乗することで、日本再上陸の可能性を探ってみることにしました。

ステランティスジャパンからの2021年8月の公式的な発表では、以下の3モデルを皮切りに、日本に投入されるというアナウンスでした。

「モッカ」「コルサ」「グランドランド」

早速ドライブしたのは、もっとも僕が期待しているモッカです。全長は4151mm、全幅は1791mm、全高が1531mmになります。Bセグメントに属するコンパクトSUVです。トヨタ「ヤリス クロス」やホンダ「ヴェゼル」などがライバルになりますね。

超高性能ではないが欧州で愛される理由を体感

試乗車が搭載するエンジンは直列3気筒の1.2Lターボ。ディーゼルエンジンも含めると3タイプのパワーユニットがあります。そのなかのもっとも非力な100psユニットでしたが、それでも最高速度は200km/hを記録(アウトバーンの下り区間でしたが……)。また、フットワークもしなやかでした。決して刺激に満ちあふれたスポーティなフィールではありませんでしたが、欧州基準を満たしていることがわかったのです。ヨーロッパで人気なのは理解できました。

メッカのリヤ

スタイリングも垢抜けているように感じました。オペルは伝統的に大衆車感の強い質素なデザインが主流でしたが、モッカに与えられたやや眼光の鋭いフロントマスクやシルエットのテイストは、新世代のオペルアーキテクチャーであり、アイコンとして展開されていくものです。日本人のセンスにも支持されるような気がしました。その意味も含めて、冒頭で紹介した高評価の独り言なわけです。

はたして日本再上陸の目は……?

もっとも、2022年に予定していた日本最上陸は、コロナ禍やロシアのウクライナ侵攻の影響で延期になっています。その後公式のアナウンスがありませんから、再上陸は中止なのか延期なのかもわかりません。ただこれだけは予感できるのは、BセグメントSUV市場には強力なライバルがひしめいています。その市場で売れるには、ライバルたちを超越する個性が求められます。その点でモッカが太刀打ちできるのか、やや心配も残るのです。

大衆車ブランドが群雄割拠する日本市場に殴り込んでくる黒船としては、話題になるようなモデルもなさそうでしたし、そもそもシュリンクする日本市場で勝機があるのだろうかと疑問に思ったからです。

ともあれ、いちユーザーとしては選択肢が増えることは歓迎したいですよね。やや無責任な言い方ですが……。

じつは僕はかつて、オペルとも深い関係があり、モータースポーツを志していた時期がありました。そういう意味では他人事には思えないのです。日本市場にてモッカが活躍することを心から期待しているのも正直な気持ちです。

すべて表示
  • 木下隆之(KINOSHITA Takayuki)
  • 木下隆之(KINOSHITA Takayuki)
  • 1960年5月5日生まれ。明治学院大学経済学部卒業。体育会自動車部主将。日本学生チャンピオン。出版社編集部勤務後にレーシングドライバー、シャーナリストに転身。日産、トヨタ、三菱のメーカー契約。全日本、欧州のレースでシリーズチャンピオンを獲得。スーパー耐久史上最多勝利数記録を更新中。伝統的なニュルブルクリンク24時間レースには日本人最多出場、最速タイム、最高位を保持。2018年はブランパンGTアジアシリーズに参戦。シリーズチャンピオン獲得。レクサスブランドアドバイザー。現在はトーヨータイヤのアンバサダーに就任。レース活動と並行して、積極的にマスコミへの出演、執筆活動をこなす。テレビ出演の他、自動車雑誌および一般男性誌に多数執筆。数誌に連載レギュラーページを持つ。日本カーオブザイヤー選考委員。日本モータージャーナリスト協会所属。日本ボートオブザイヤー選考委員。
著者一覧 >

 

 

 

 

 

 

 

RECOMMEND

MEDIA CONTENTS

WEB CONTENTS

 

 

 

 

 

 

 

人気記事ランキング

MEDIA CONTENTS

WEB CONTENTS

AMW SPECIAL CONTENTS