御堂筋はフェラーリの聖地!?
2015年、本物のフェラーリのF1が公道を走るというイベントが開催されたのを、AMW読者なら記憶している方も多いのではないでしょうか。その公道こそが大阪の御堂筋であり、その伝説的なイベントとして記憶される御堂筋に、フェラーリ大阪がプレオウンドショールームをこのたびオープン。さっそくオープニングのプレスカンファレンスにAMW編集長の西山が参加してきました。
心斎橋に「コーンズ大阪 プレオウンドショールーム」オープン
2010年代、御堂筋沿いにスーパーカーやラグジュアリーブランドの新車ショールームが続々とオープンしたのを覚えている。おそらくその嚆矢となったのはフェラーリ。それからベントレーやランボルギーニ、マクラーレンなどが後に続いた。御堂筋沿い(心斎橋付近)はカスタマーにとってはショッピングのついでなど便利な場所である。御堂筋の沿道は銀杏並木となっており、時計やアパレルなどのラグジュアリーブランドの路面店も多い。クルマのハイブランドの新車ショールームが相次いでオープンしたのもマーケティングとしては正解である。
しかしこれまでは、どのブランドも新車のショールームであった。それがいわゆる認定中古車のショールームを、コーンズ大阪が御堂筋にオープンするという。そこにはどういう狙いがあるのだろうか。オープンにあたってのプレスカンファレンスで、コーンズ・モータース株式会社 代表取締役社長 兼 CEO 林 誠吾氏は次のように説明してくれた。
「新車はどうしても限られたカスタマーのもとにしか行き届きません。それはフェラーリの年間生産台数に上限がある以上仕方がないことです。フェラーリを欲している人すべてに届けることができないというジレンマがあります。しかしわれわれコーンズは日本でフェラーリを販売するようになって、50年近い歴史を持っています。これまでたくさんの歴代モデルをカスタマーのもとに届けています。
そうして届けた良質のフェラーリが数多く日本にはあります。それらを正規ディーラーであるわれわれが整備して提供したいと思っています。初めてフェラーリを購入する人には、新車は現物がないのでイマジネーションするのが難しいかもしれません。中古車は目の前に現車があるのでより具体的に購入後のライフスタイルをイメージできます。それに新車と違って欲しい時にすぐに手に入れられるというメリットがあります」
フェラーリに興味はあるが、いきなり新車をコンフィギュレーションで仕様を決めて納車まで気を長くして待つ、というのは初めてフェラーリを購入する人にはハードルが高い。ならば、比較的高年式の認定中古車からフェラーリオーナーになってみるという提案は、確かに合理的である。
また、新車ショールームは難波神社を隔てた同じ通りにある。新車をオーダーして納車を待つ間、すぐに納車できる認定中古車のオーナーになってフェラーリのある生活をスタートするのも悪くない。実際にフェラーリに触れるようになると、特に内装の仕様などに自分が望むものが見えてくるだろう。パーソナライゼーションプログラムであるテーラーメイドでそうした好みを反映した自分だけの特別な一台を作り上げてオーダーし、認定中古車のフェラーリに乗りながら納車を楽しみに待つというのは、人生を無駄なくフルに楽しみたい人にはピッタリといえるだろう。これをお勧めできるのも、売却の際にもフェラーリはその価値が下がることがあまりないからである。
新車と認定中古車の両方を見比べる
また、林氏はプレスカンファレンスで次のようにスピーチを続けている。
「ネット社会となり、現物を見たり触れたりしなくとも、欲しいものを手に入れることができる時代になりました。しかし、心斎橋にわれわれが構えているようなショールームは、来場される方にとっては現物を実感できる場所として、また、スタッフとのコミュニケーションできる場として大切だと考えます。全ての空間を使って来客者を楽しい時間と空間でおもてなししたいと考えています」
かつてコーンズ大阪の扱う認定中古車は、南港にあるコーンズ大阪サービスセンターで見ることができた。心斎橋の新車ショールームからは少々離れた場所に立地していたため、新車と中古車のどちらにも興味のある人にとっては、少々不便だったかもしれない。しかし、難波神社を挟んで新車と認定中古車のショールームが並んでいると、シナジー効果が得られることは明らかだ。
車両展示スペースは、最大7台まで展示することができ、自然光と融合するよう調整した人工光を組み合わせた独自の照明システムによって、より魅力的に展示車が演出されていた。もちろんフェラーリの最新CIが導入され、ブランドのDNAである伝統と革新を体現化したラグジュアリーなフロアには、ラウンジと商談ルームが併設されているので、ゆっくり寛ぎながら車両を吟味することが可能だ。
また、オープニングセレモニーには、フェラーリ・ジャパン株式会社 代表取締役社長 ドナート・ロマニエッロ氏も登壇。
「関西エリアは、情熱的なフェラーリカスタマーが多いのが特徴です。〈チャレンジ〉などフェラーリのレーシングプログラムに積極的に参加なさっているカスタマーが多いのも特徴です」
と、関西エリアのカスタマー像を分析し、御堂筋に新車と中古車のショールームが併設されることのシナジーを強くアピール。ストリートモデルだけでなく、サーキットモデルも取り扱うと説明した。
フェラーリの価値は不変「フェラーリフォーエバー」
セレモニーの後、林氏にプライベートな話を伺うことができた。最近、自身の生まれた1971年の「CAR GRAPHIC」を一年分読む機会があり、電気自動車の記事がもっとも印象に残ったそうだ。そこでレポートされていたEVの問題は、バッテリーの容量や充電のインフラなど、現在におけるEVの課題とほぼ同じだったとのこと。プレスカンファレンスの挨拶の冒頭で、
「自動車業界はパワーユニットの問題で揺れ動いていますが、そうした時代にあってもフェラーリは揺るぎない価値を持っています」
と、スピーチした林氏の真意がわかったような気がする。フェラーリは過去モデルにおいても「クラシケ」の認定を取得することで価値を保証するというプログラムを進めてきた。こうした取り組みはランボルギーニの「ポロストリコ」やマセラティの「クラシケ」などのお手本にもなっている。新車・中古車問わずフェラーリの価値は不変。そしてその価値は、これから登場する未来のフェラーリにあっても同じ、ということであろう。
■コーンズ大阪 プレオウンドショールーム
・所在地:〒541-0058 大阪市中央区南久宝寺町4-1-2 御堂筋ダイビル 1F
・営業時間:10:00~19:00(平日)/10:00~18:00(土日祝)
・展示台数:最大7台
・定休日:火曜日および年末年始
・TEL:06-6121-6111
・FAX:06-6121-6070
・延床面積:294平方メートル
・URL:https://osaka.ferraridealers.com/ja-JP