サイトアイコン AUTO MESSE WEB(オートメッセウェブ)

エンジンから先に購入! ダルマ「セリカ」にスペシャルなトヨタ・ツインカム「152E」を搭載…ミッションは「アルテッツァ」の6MTです

トヨタ セリカ:軽量化のためにボンネットやトランク、フェンダーはFRP製に変更している

ダルマセリカに希少な152E型エンジンを搭載

今回が初の開催となったイベント「SWAP&MEET in 妙高」で、ビス留めのオーバーフェンダーが装着された「ダルマ」の愛称でお馴染みのトヨタ「セリカ」を発見。オーナーの吉川一男さんに話を聞いてみると、希少な152E型エンジンを搭載したスペシャル仕様のセリカでした。

ただならぬオーラを放つダルマセリカを発見

戦前から日本有数のリゾート地として知られる新潟県妙高市の赤倉スキー場エリアで、2024年4月20日(土)〜21日(日)にかけて開催されたイベントが「SWAP&MEET in 妙高」だ。今回が初の開催となるこのイベントは、その名称からも分かるように「エントラントは車両の売り買い・交換自由」、「レストア途中や要修理の不動車も参加OK」というのが大きな特徴だ。

売買や交換を目的とせず、愛車の展示とオーナー同士の親睦を深めるための参加ももちろんOK。そちらを主目的に参加したというエントラントも多く、国産ヒストリック勢の1台が、「ダルマ」の愛称でお馴染みのトヨタ「セリカ」だ。

比較的お上品なオリジナル状態の参加車両が多いこのイベントで、ビス留めのオーバーフェンダーが装着されたこのセリカは、ノーマル車とはひと味異なるただならぬオーラを放っている。そのタイヤサイズもフロントが205/50、リアが225/45と、内に秘めたパワーを想像させるには十分な迫力だ。そこでオーナーにお話を伺うことに。こちらのセリカ、只者じゃないですよね。

「エントリー・リスト上は1976年式のセリカ2000GTですが、エンジンは18R-G型ではなく152E型に換装してあります」

と語ってくれたのはオーナーの吉川一男さん。1970年代から1980年代にかけて、トヨタのスポーツ・グレードに広く搭載され、多くのファンに親しまれたDOHCエンジンといえば、1.6Lの2T-G型と2Lの18R-G型。もちろんどちらのエンジンも初代セリカに搭載されたが、この個体に搭載された152E型という、あまり聞きなれないエンジンは一体……?

>>>2023年にAMWで紹介されたクルマを1冊にまとめた「AMW car life snap 2023-2024」はこちら(外部サイト)

トヨタ・ツインカム一族の中でも特別な152E型エンジン

「当時TRDがモータースポーツ専用に3Kや2T‐G、18R-G型エンジンをベースに4バルブ・ヘッド化したスペシャル・エンジンを開発してレースやラリーに投入しました。18R-G型をベースに4バルブ化されたものが、この152E型エンジンです」

1978〜1979年頃に2T-G型エンジン搭載のトヨタ「カリーナ GT」を手に入れたのが、トヨタ・ツインカムとの出会いだったという吉川さん。かねてからモータースポーツが好きで、自身もレースにも参戦していたという吉川さんが、さる友人から「あの、152E型エンジンが手に入る」という話を聞いたのが8年ほど前のこと。

「トヨタ・ツインカム一族の中でも特別なものですから、ともかくエンジン単体でも欲しいと思い入手しました」

6年かけて製作し、サーキットも走る

「ヘッドまわりはもとより、クランク、コンロッド、ピストンなども別物です。エンジン単体を手に入れた2年くらい後に、それを載せるためのセリカを手に入れまして、6年くらいかけて仕上げたのがこのクルマです。そんなわけで、クルマは最近仕上がったばかりなんですよ」

吉川さんのセリカに搭載された152E型は、もともとドライサンプだったものをウエットサンプにし、キャブはソレックスのφ50mmと大口径。トランスミッションもトヨタ「アルテッツァ」用の6速マニュアルトランスミッションに換装している。

セリカ自体の外装は、軽量化のためにボンネットやトランク、フェンダーはFRP製。左右のドアだけは万一の際の強度を考えてカーボン製で、室内にはロールバーも備える。会場に佇んでいるだけでただならぬオーラを醸し出していたのも納得なのだった。

「サーキット走行会の時にはスリックタイヤに履き替えています」

とにこやかに語る吉川さん。往年のトヨタ・ワークスの気合を今に伝えるこのスペシャル・セリカとそのオーナーは、どちらも見た目の雰囲気以上に「ホンモノ」なのである。

>>>2023年にAMWで紹介されたクルマを1冊にまとめた「AMW car life snap 2023-2024」はこちら(外部サイト)

モバイルバージョンを終了