世界初の市販ミッドシップスポーツカーを6年前に購入
「世界初の市販ミッドシップスポーツカーということもあり、ずっと昔から“欲しいなぁ”と言っていたら、たまたま海外で売り物が見つかりまして。それを手に入れたのが2016年4月のことです」
学生の頃はフェラーリ「250GTO」や、現実的にはシトロエン「GS」が欲しかったという熊倉さん。現在はこのジェットのほかに、タルボ・マトラ「ムレーナ」も所有しているという。好みはラテン系限定かと思いきや、さにあらず。2台のフレンチ・スポーツカー以外にもランドローバー「ディフェンダー 110」やメルセデス・ベンツ「W124」をお持ちというから驚きだ。
「タイヤがついているものならば何でも好きで(笑)」
都内の自宅から妙高高原まで、1人自走での参加
「オドメーターは4万5000kmほどですが、そんなわけはないと思います。何周しているか分かりません(笑)」
という熊倉さんのジェット。
「日本にはこれ1台かと思っていたら、最近もっと綺麗な個体が上陸したらしいです。自分のはボディがけっこうくたびれてきているので、そこも含めていずれちゃんと整備したいです」
とのことだが、その佇まいは言うほどのやれた感もなく、むしろ凛として矍鑠(かくしゃく)。熊倉さんはこのジェットを、ヒストリックカー・イベントへの参加だけでなく日常でも使っているというが、実際今回のイベントにも都内の自宅から妙高高原まで、1人自走での参加とのこと。
「うちのはヘッドに“G”の刻印(=ゴルディーニ謹製の高性能エンジンの意)が入っていない、ただのルノー・ベースの1.1L エンジンですけど」
とご謙遜だが、イベント終了後には東京を目指し、OHVの軽やかなエンジン音とともに颯爽と会場を発ったルネ・ボネ ジェット。自分にとってクルマとは厄介な友だちだという熊倉さんだが、そのさりげない関係は、なかなかのクルマ趣味の達人の域とお見受けした。
>>>2023年にAMWで紹介されたクルマを1冊にまとめた「AMW car life snap 2023-2024」はこちら(外部サイト)