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世界初の市販ミッドシップスポーツカーを海外から購入!「クルマとは厄介な友達」という趣味人の愛車ルネ・ボネ「ジェット」とは?

ルネ・ボネ ジェット:1963年に史上初の市販ミッドシップ・スポーツカーとしてデビューした

今回が初の開催となる「SWAP&MEET in 妙高」で希少車を発見

昨今は日本全国ヒストリックカー・イベントが花盛りで、春・秋のハイシーズンともなれば、毎週末のように各地で大小さまざまなミーティングやイベントが開催されています。そんな中、今回が初の開催となるフレッシュなイベントが「SWAP&MEET in 妙高」です。このイベントに、ルネ・ボネ名義のスポーツカーとしては最後のモデル「ジェット」で参加していた熊倉一光(くまくら かずみつ)さんに話を伺いました。

クラシックカー愛好者のためのイベント

2024年4月20日(土)〜21日(日)にかけて初の開催となった「SWAP&MEET in 妙高」。これは、スキーやキャンプなどで知られる老舗リゾート地でもある新潟県妙高市の赤倉スキー場エリアで開催された滞在型の展示イベントだが、その名称からも分かるように「エントラントは車両の売り買い・交換自由」、「レストア途中や要修理の不動車も参加OK」というのが大きな特徴だ。

欧米では古くから、老オーナーが自身の愛車を次世代の若者に託す「バトンタッチの場」としてスワップ・ミートのイベントが有効に活用されているが、本イベントもそれに倣ったもの。実際、会場ではレストア途中のドンガラボディや「FOR SALE」の札を掲げたエントラントもちらほら見受けられた。

ルネ・ボネ名義のスポーツカーとしては最後のモデル

そんな会場で目に留まったのが、「NOT FOR SALE」のマークが貼られていた国内では大変珍しいルネ・ボネ製のスポーツカー、「ジェット」だ。あのロータス「ヨーロッパ」に先んじること3年、1963年に史上初の市販ミッドシップ・スポーツカーとしてデビューしたという栄誉のわりには、日本での知名度はさほど高くないフレンチ・スポーツカー。

「ルネ・ボネとしてはミシルに続いてリリースされた2車種目となるロードカーで、僕のは1964年式です。この年ルネ・ボネは同じフランスのマトラに買収されてしまい、1965年からは車名も“マトラ ジェット”となるので、ルネ・ボネ名義のスポーツカーとしては最後のモデルです」

と語ってくれたのは、オーナーの熊倉一光さんだ。

>>>2023年にAMWで紹介されたクルマを1冊にまとめた「AMW car life snap 2023-2024」はこちら(外部サイト)

世界初の市販ミッドシップスポーツカーを6年前に購入

「世界初の市販ミッドシップスポーツカーということもあり、ずっと昔から“欲しいなぁ”と言っていたら、たまたま海外で売り物が見つかりまして。それを手に入れたのが2016年4月のことです」

学生の頃はフェラーリ「250GTO」や、現実的にはシトロエン「GS」が欲しかったという熊倉さん。現在はこのジェットのほかに、タルボ・マトラ「ムレーナ」も所有しているという。好みはラテン系限定かと思いきや、さにあらず。2台のフレンチ・スポーツカー以外にもランドローバー「ディフェンダー 110」やメルセデス・ベンツ「W124」をお持ちというから驚きだ。

「タイヤがついているものならば何でも好きで(笑)」

都内の自宅から妙高高原まで、1人自走での参加

「オドメーターは4万5000kmほどですが、そんなわけはないと思います。何周しているか分かりません(笑)」

という熊倉さんのジェット。

「日本にはこれ1台かと思っていたら、最近もっと綺麗な個体が上陸したらしいです。自分のはボディがけっこうくたびれてきているので、そこも含めていずれちゃんと整備したいです」

とのことだが、その佇まいは言うほどのやれた感もなく、むしろ凛として矍鑠(かくしゃく)。熊倉さんはこのジェットを、ヒストリックカー・イベントへの参加だけでなく日常でも使っているというが、実際今回のイベントにも都内の自宅から妙高高原まで、1人自走での参加とのこと。

「うちのはヘッドに“G”の刻印(=ゴルディーニ謹製の高性能エンジンの意)が入っていない、ただのルノー・ベースの1.1L エンジンですけど」

とご謙遜だが、イベント終了後には東京を目指し、OHVの軽やかなエンジン音とともに颯爽と会場を発ったルネ・ボネ ジェット。自分にとってクルマとは厄介な友だちだという熊倉さんだが、そのさりげない関係は、なかなかのクルマ趣味の達人の域とお見受けした。

>>>2023年にAMWで紹介されたクルマを1冊にまとめた「AMW car life snap 2023-2024」はこちら(外部サイト)

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