見晴らしよく突き進む!
そして、長距離ドライブだ。結論からいうと、よくできたGTとして高く評価できるものだった。
911としては特殊なタイヤパターンを微かな振動とノイズで知る以外は、ライドフィールもいたって良好で、何より車高を上げられたことによるネガが走行安定性にほとんど現れないことに感動した。もちろん強い横風などではノーマルの911に比べてフロア下への空気の流れを感じることもあったが、対応できる範囲という意味で十分に想定内。アウトバーンを走るような場合には自制が必要になるだろうが、日本の高速道路の速度域であれば問題なし。それよりも見晴らしよく突き進んでいけるという感覚が素晴らしい。
文句があるとすれば、荷物を積むという+2の911ならではの利便性を、取材車両では2シーター+ロールケージで完全に殺していたことくらい。なにしろ大きめのスーツケースはどうにも入らない。リアスペースがもったいなくてしょうがなかった。
往復1000kmを走破して手元の印象として残っていることといえば、“さらにどこにでも連れ出せる911”という感覚だ。もしダカールが自分のガレージにあったなら? ディーラーのセールスマンに叱られるくらいオドメーターの数字が日増しに伸びていくだろう!
理想のデイリー911。私ならロールケージを選ばず+2で乗りたい。