ダイハツ「ミゼットII」を走りのクルマへ進化
ユニークな1人乗り超コンパクトカー、ダイハツ「ミゼットII」を改造し、趣味のサーキット走行を楽しんでいるのが愛知県豊田市在住の“ネコまんま”さんです。小口配達に特化したミゼットIIを、練りに練ったチューニングで「走りのクルマ」へと進化させ、可愛らしいルックスとは裏腹にとてつもないパワーを発揮する1台を紹介します。
クルマいじりの経験を活かしてチューニング計画を開始
“ネコまんま”さんがダイハツ「ミゼットII」を購入したきっかけは、深刻な駐車場問題だった。仕事の関係で借りていた家には自転車置き場を少し大きくしたサイズの駐車場しかなく、そこに入るクルマを探し出し、選んだのがミゼットIIだった。しかし、彼は購入した当時の心境をこう話す。
「実際に購入した当初は、買ったことを後悔するほどノロマで、乗り心地も悪くて最悪のクルマという印象でした」
そこで、どうにかすべくチューニング計画を開始。“ネコまんま”さんは昔からクルマいじりが大好きで、その経験を活かしてミゼットII用のチューニングパーツや他車から流用できる部品探しをはじめた。
リアサスペンションをダブルウィッショボーン化
まず最初に、純正サスペンションの構造を変えないまま部品交換を行った。しかしこれがまったく効果がなく、むしろ乗り心地は悪化。ほかに3リンク方式のサスペンションへ進化させるも、狙い通りの結果は得られずイマイチで終わってしまった。
そこから悩みまくった“ネコまんま”さんは、自分の考えだけでは限界だと感じ、知り合いのチューニングショップに相談した。そのお店でミゼットIIのチューニングについて調べてもらうと、過去の事例から、驚くことにスズキ「カプチーノ」のサスペンションを移植させる方法があることが判明した。
しかも、このカプチーノの純正サスペンションは乗り心地に定評があるダブルウィッシュボーン式なので、今までに以上に期待できると確信。簡単な移植ではなかったが、それでも見事にミゼットIIのリアサスペンションをダブルウィッショボーン化させることに成功した。
ハンドリングも乗り心地も良くなり、気持ちよく走れる状態に
細かい仕様は、フロントサスペンションはストックのままで、リアサスペンションはカプチーノの純正ダブルウィッシュボーンをフル移植。前後にワンオフ加工のENNEPETAL(エナペタル)E12車高調にSWIFTスプリング、ダイハツ「ミラ」とダイハツ「ムーヴ」用のCUSCOのピロアッパーマウント・ムーブを装着する。
さらにD-SPORTのロアアーム、ダイハツ「ネイキッド」用のMPピロブッシュ、ダイハツ「ストーリア」用のSDMウレタン強化スタビエンドブッシュをセットして大幅リニューアル。より車両の姿勢変化を安定させるべく、荷台下に剛性アップ用のパイプフレームも追加。これによって、ハンドリングも乗り心地も良くなり、気持ちよく走れる状態になったという。