100周年を記念し多彩なサポートレースが開催
モータースポーツを中心に、ヨーロッパで取材活動を続ける池ノ内みどりさん。2024年はニュルブルクリンク、ル・マンに続き、ヨーロッパ3大24時間レースであるスパ24時間を取材するべくスパ・フランコルシャンサーキットへ。決勝レースの前日となる金曜日は、予選上位20台によるスーパーポールが行われました。走行の合間を見て、サポートレースのパドックへ。そこには往年のマシンたちが待ち構えていました!
予選は予想外の展開でスーパーポール進出を逃したチームも
ニュルブルクリンクとル・マンと並ぶ、ヨーロッパ3大24時間レースのひとつであるスパ24時間耐久レース。スパは「インターコンチネンタルGTチャレンジ」というGT3マシンによる耐久レース世界選手権の1戦に組み込まれています。2024年はこの選手権にニュル24時間レースのGT3クラスも初めて加わりました。
それにより、ニュルとスパを掛け持ちして観戦したいという方には朗報となる、お得な両レース共通チケットが販売されたのです。スパではニュルとの共通レースのチケットを首から下げている方を多く見かけました。スパのあるベルギーはドイツ、フランス、オランダ、ルクセンブルクと接していることもあり、とくにこれらの国々からのファンが大勢詰めかけるので、サーキットではさまざまな言語が飛び交っていました。
さて、決勝レースを目前に控えた金曜日。木曜日に開催された予選の上位20台がポールポジションを争うタイムアタック、スーパーポールが行われました。予選の最後で赤旗が出て、ちょうどアタックしようとしていたチームが出鼻をくじかれた形になってしまい、当然トップ20位に入っているだろうと思われたトップチームらが赤旗のせいでスーパーポールに進出できなくなるという事態にもなりましたが、それもレース。決勝レースで挽回するしかありません。
ちなみにスパ24時間レースはサポートレースのパドックが離れています。アップダウンの登山のようなパドックを徒歩で歩き回りますので、サポートレース用のパドックに友人がいても、すぐには会いに行けないのが大変。この日は私の関わるレースの取材活動はスーパーポールしかありませんので、ダイエットがてらにサポートレースのパドックへ行ってみました。
2024年はスパ24時間レースの100周年記念とあり、イベントが盛りだくさん!「マクラーレン トロフィー ヨーロッパ」「ファナテックGT2ヨーロピアンシリーズ」「GT4ヨーロピアンシリーズ」「ヘリテージ ツーリングカップ(1996年~2000年)」「エンデュランス レーシング レジェンドGT(1993年~2013年)」と、サポートレースだけでも5つ! さらにはその合間にラグジュアリーカーのオーナーズクラブ活動でセーフティカーの先導のもとでサーキット走行をしたり、VIPタクシーの同乗体験などスケジュールはぎゅうぎゅうに詰め込まれています。
パドックが非常に広いので全部は回れませんでしたが、ヘリテージ・ツーリングカップやレジェンドGTなど、ステキな旧車巡りに大満足。何十年も前のレーシングカーを今も大切に丁寧に手入れされているのにもとても感心しますし、数多くの若いファンがそれらを熱心に見学していた姿もとてもステキでした。エキゾーストノートのスゴイことったら! 現代のレーシングカーにはないサウンドで驚きです。
100周年を記念した特別展示やグッズにもときめきました
メディアセンターのあるピットビルの屋上では、スパ24時間レース開催100周年の記念展示も行われ、パドックパスを持っていれば誰でも無料で入場できました。土日は非常に混むと予想し、空いていた金曜日に見学へ。
レーシングカーにはじまり、昔のプログラムやノベルティなどのグッズ、歴代のリザルトなどが展示されおり、なかなか興味深かったです。日本の若者にも昭和ブームが到来しているらしいですが、ヨーロッパの若者も昔のものを見て心をときめかすのでしょうか?
ショップや売店では定番となっているスパのグッズのほか、100周年の記念グッズも販売されていました。エコバッグコレクターである私は、歴代の優勝車両がプリントされたデザインのものが一番に目に入りました。カワイイ! と思ったものの、生地がかなりペラペラなうえに15ユーロ(約2500円)は結構高いな、と購入には至らず。しっかりしたキャンバス生地にプリントしてあったら即買いだったのですが……。
もうひとつはマグカップです。エコバッグと同じデザインで、これは20ユーロ(約3500円)。2023年はル・マン100周年のときに購入した、同様に歴代優勝マシンがデザインされたマグをとても気に入っているので、スパも欲しいなと思っていたのです。
しかし、ドタバタしたレースウィークを過ごすなか、いつでも買えると思っているうちにすっかり買うのを忘れていて、帰りのアウトバーンを走っている途中に「あ!」と思い出した次第です。2025年にも残っていると良いのですが……。