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通勤車はスポーツカーが最適! フェラーリやアルファ、アバルトなどを試して行き着いたクルマは…アルピーヌ「A110」でした【KEEP ON RACING】

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TEXT: 太田哲也(OTA Tetsuya)  PHOTO: 横澤靖宏(YOKOSAWA Yasuhiro)/tezzo

  • アルファ ロメオ ジュリア:現在の太田哲也さんの愛車の1台
  • アバルト595:現在の太田哲也さんの愛車の1台
  • アルピーヌA110:現在、太田さんの通勤車として活躍中
  • アルピーヌA110:スポーツマフラーをtezzoで独自に開発
  • アルピーヌA110:トリコロールなどをあしらった本革巻きステアリング
  • アルピーヌA110:tezzoオリジナルのアルミフットレストはトリコロールカラーとなっていてオシャレ
  • アルピーヌA110:フロントのフードにはゴールドでラインをあしらっている
  • アルファ ロメオ4C:通勤に使うには本格的すぎるスポーツカーだった
  • アルピーヌA110:地味ではないけど、派手でもない。通勤に使うにはちょうどいい

通勤車こそスポーツカーが最適だ!

KEEP ON RACING連載3回目は、太田哲也さんの通勤カーの考え方について。スポーツカーは通勤車には不向きだと思われがちですが、太田さんはつねにスポーツカーを選んできました。その理由と、実際に使ってみてわかった通勤にマッチするスポーツカーとそうでないものをご紹介します。

自分をその気にさせるニンジンの仕組み

仕事にやりがいを感じてはいるのだけど、でも仕事に行くのって気が重い日ってあるよね。それを解消するには通勤に楽しみを与えたらいい、というのが僕の考えだ。たとえば、朝、コーヒーは自宅では飲まないで会社についてからの楽しみとしている。元来がめんどくさがり屋なので、自分に対して「行動」を起こさせるための「ニンジンの仕組み」を生活の中でいっぱい作ることを心がけている。

通勤手段も同様だ。自分が一緒に過ごしたいと思うクルマを通勤用にすれば気分が高揚する。現在は取材がないとき、週3は自宅の東京都世田谷区から横浜市都筑区のショールームまで約20km、週1は西新宿のオフィスまで約6kmをクルマで通勤している。仕事に向かう朝、玄関を出るときの気分を無理やり盛り上げてしまおうと考えている。それでスポーツカーで通うようになった。

それに体にフィットしたオーダースーツみたいに「着心地」がいいし、ゆっくり走れば車重が軽いから燃費もいい。スポーツカー通勤はおすすめだ。とは言え、実際に通勤車にしてみると、しっくりこない車種もあった。

通勤車がフェラーリの場合

以前にフェラーリ「360モデナ」で通勤してみたことがあったけど、色が赤だったこともあって目立ち過ぎというか、朝の気だるい気分に少々トゥーマッチさを感じてしまった。さらに周りの目を気にしてしまって、コンビニに寄るのも気が引ける。「フェラーリで乗り付けて、おにぎりとか買ってんじゃねえぞ!」とか思われてるんじゃないかと感じてしまって……。自意識過剰かもしれないけど、それを乗り越える「度量」がなかった。

それに毎日、キル・スイッチを切るのも面倒で、週末に忘れてバッテリーを上げてしまうこともよくあって。つまり自分にはフェラーリは通勤車に向かない、という結論となった。

アルファ ロメオ4Cが通勤車だと……

その後にアルファ ロメオ「4C」で通勤してみた。コンパクトでAピラーが意外と立っていて視界もよく、狭い道もスイスイだ。サイズ的には東京都内の走行にも適している。

ただ問題はパワステがないので駐車には気を遣う(でもおかげで腕の筋肉がついた、それはよかった)。それからサイドシルが分厚いので(スポーツカーにとっては高剛性で大切な要素だが)、乗り込みに煩わしさを感じていた。4Cは本物のスポーツカーなのだ。通勤にはスパルタンなのであった。

これだ! A110だ

アバルト「124スパイダー」や「595」なども取り入れつつ、アルファ ロメオ「ジュリア」に落ち着きかけていたときに、新型アルピーヌ「A110」が発表された。試乗してみたところ、「これだ!」と。

よい意味で乗用車的だったのだ。サイドシルの厚みもそれほどではなく、操作性も、乗り心地も、ふつうのスポーツサルーンの味わい。スパルタンさはない。ミッドシップの2シーターだから地味ではないけど、派手でもない。色も黒だから目立たないので、コンビニに停めても違和感はない。燃費もいい。通勤にピッタリだった。それですぐに購入した。

ただ、自分のクルマとして長時間過ごしてみると、たいていのクルマがそうなんだけど、だんだん気に入らない部分が見えてくるのも事実。次回以降は、そのあたりのことをどう克服したか。それからアルピーヌで遭遇したとんでもないトラブルについても話さなくてはならない。

>>>太田哲也さんの連載「KEEP ON RACING」はこちら

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  • 太田哲也(OTA Tetsuya)
  • 太田哲也(OTA Tetsuya)
  • 1959年11月6日生まれ。モータージャーナリスト/元プロフェッショナルレーシングドライバー。1986年から当時のトップ・フォーミュラであったF3000やグラチャンに6シーズン出場。マツダのワークスドライバーにも抜擢され、プロトタイプカーのグループCカーによる国内レース出場及び海外テストを担当。ル・マン総合優勝車となるマツダ787Bなどをドライブした経験も持つ。その後GTレースに転向し、イタリアのフェラーリ準ワークスなどから4年連続でル・マン24時間レースにフェラーリF40GTEで出場。同時期に全日本GT選手権などでもフェラーリF40やF355で優勝するなど「日本一のフェラーリ遣い」の異名を取った。50代からは実業家にも転身、チューニング・ブランド「TEZZO」をプロデュース。著書『クラッシュ〜絶望を希望に変える瞬間』『リバース〜クラッシュ2魂の戻る場所』(共に幻冬舎)はベストセラーとなり映画化もされた。2024年度カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
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