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26歳でいすゞ「ジェミニZZ」を5台も所有! 実は父も若い時に乗っていたことが判明して…ジェミニ好き遺伝子を受け継いだ若者のチューニングが素晴らしい!

いすゞ ジェミニZZ:ミッションの中身は後期型よりもギヤ比がクロスぎみになっている前期型用を組む。また、ステアリングギアボックスは早いレシオになるように前期型用に交換している

26歳のジェミニストが愛する「ジェミニZZ」を紹介

いすゞの初代PF60型「ジェミニZZ」を覚えていますか? 走りに特化した「ZZ(ダブルズィー)」は、かつて「じゃじゃ馬」として知られ、モータースポーツが盛んになりはじめた時代を象徴するホットモデルとして注目を集めました。そんなジェミニZZを部品取り車を含めて5台所有する“Gemini mag”さんに話を伺いました。

部品取り車を含めて5台所有

いすゞ初代「ジェミニZZ」は、「117クーペ」のDOHCエンジンをベースに電子制御化したハイパワーユニット「G180型」エンジンを搭載する。古くから多くのファンに愛され、それを操る人びとのことを当時は「ジェミニスト」と称えていた。

今回紹介する岡山県在住の“Gemini mag”さんも、初代PF60型ジェミニZZを愛する生粋のジェミニストである。現在の年齢を聞くと、なんと平成生まれの弱冠26歳。彼はジェミニストの間で有名な人物で、初代ジェミニに惚れ込むあまり、部品取り車を含めて5台も所有しているというから驚きだ。なぜそれほどまでに初代ジェミニZZにのめり込んだのか、本人はこう話す。

「たまたま街中で目撃した初代ジェミニが、ものすごくカッコよく見えたからです」

そして偶然が重なり、このクルマについて色々と調べて購入しようと決意し、父親に「このクルマを買おうと思っている」と話すと、驚くことに「俺もむかし同じ型のジェミニに乗っていたよ」と言われたのだった。

この瞬間、“Gemini mag”さんは初代ジェミニZZがますますお気に入りのクルマとなった。そして、中古市場にあまり出回っていなかったので、個人売買で探し、同じ県に住む方から大切な1台を譲ってもらった。当時は今ほど旧車が高騰していなかったので、費用は50万円ほどで済んだという。ちなみに現在の相場を調べてみると、程度次第で200万円は軽く超えているのでラッキーとしかいいようがない。

前期型の丸目2灯にイメチェン

この初代ジェミニZZはグレードによって若干仕様が異なり、一般的なユースに向けてエアコン、カーステレオ装備のZZ-Tを中心に、ラグジュアリーな装備を充実させたZZ-L、そして、リアルスポーツモデルとして競技ベースにも使われたZZ-Rが存在した。

“Gemini mag”さんが購入したクルマは元ジムカーナ車両として使われていたらしく、ZZ-Rだった。フロントマスクを見ると、丸目2灯ヘッドライトになっているため前期型だと思われるが、年式は1982年式とのこと。過去の資料を調べると、1974年に登場した初代ジェミニは丸目2灯ヘッドライトだったが、1977年に角目2灯に変更している。

そして、1979年のマイナーチェンジでフロントがスラントノーズ化されると、スポーティモデルのみ再び丸目2灯に戻されたが、1981年には全車が異型角目2灯ヘッドライトに変更されている。したがって、“Gemini mag”さんの1982年式ならば角目2灯になるはずだ。このことについて聞いてみると、やはりフロントマスクは前期用に交換していた。

「一番最初に街中で目撃したジェミニが前期型だったので、あえて前期型のグリルに交換し、丸目2灯ヘッドライト仕様にしています」

>>>2023年にAMWで紹介されたクルマを一冊にまとめた「AMW car life snap 2023-2024」はこちら

ジェミニストが憧れるパーツが満載

5台もジェミニを所有する“Gemini mag”さんが一番こだわっている愛車だけあって、ほかにもジェミニストが憧れるパーツが満載なのは言うまでもない。

ジェミニストならば気づくであろうマニアックなエクステリアは、前期用フロントフェイスに加え、当時唯一のエアロパーツといわれたスピードガレージG5製のレーシングスポイラーを装着する。さらにサイドミラーは、ジェミニの兄弟車であるオペル「カデット」の純正をセットする。

リアコンビネーションランプはなんとなくメルセデス・ベンツ「190」に似た雰囲気を持つ、オーストラリア版のホールデン「ジェミニ」用を装着。そのほかにもRestored製のボンネット、オーナーが自作したトランクパネルなどをセットしている。

当時の定番のチューニング手法を採用

エンジンは、当時流行った定番仕様にチューニング済み。スタンダードユニットである1.8L 直列4気筒DOHCエンジンは、当時の前期用オイルクーラー付きエンジンの方がオイルポンプが強化され、油圧が高めになっているとの理由から換装している。それをベースに「ピアッツァ」のG200Wエンジン用ピストンを組み2L化し、ヘッドも面研して、ポート研磨、ハイカムをセット。

また、スロットルボディは口径サイズが大きく、効率がいい限定ラリースペシャル車用を流用しているのもポイントだ。そして、排気系はワンオフ4-2-1エキマニにピアッツァ純正触媒にフジツボRM-01マフラーを装着している。

より高性能マシンへとチューニングによって進化させることもできるが、“Gemini mag”さんは当時感を大切に、当時の定番といわれたチューニング手法をあえて採用している。基本的に流用パーツを用いたアプローチを軸にクルマいじりを楽しんでいた。

現在、“Gemini mag”さんはFRP製のパーツ作りにハマっていて勉強中だという。そもそものきっかけは、入手困難になったフロントバンパーの修復から始まったわけだが、実際にやってみると成形作業が面白くなり、今ではさまざまなパーツを作り出せるほどの腕前に。今後はもっと上手くなり、修復を兼ねたオリジナルの初代ジェミニ用パーツを作っていきたいと話してくれた。

マニアックすぎるチューニングを施した“Gemini mag”さんの初代ジェミニZZ-R。ほかにもレストア中の車両があり、こちらももっと走りの仕様として過激にイジっているというから、再び機会があったらぜひ取材させてもらいたい。

>>2023年にAMWで紹介されたクルマを一冊にまとめた「AMW car life snap 2023-2024」はこちら(外部サイト)

 

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