攻めた走りも楽しめる仕様に
また、このスバル360は足まわりもかなりイジってあり、純正フロントサスペンションは本来トーションスプリングと油圧ダンパーを装着するが、驚くことにそのダンパーユニットをバイクのホンダ「グロム」から流用して装着している。リアはサンバー用のサスペンションをアクスルも含めてフル移殖し、剛性を高めるために左右に2本ずつリンクを追加して、パワーに対応させた工夫も施す。
このサスペンションに対し、ノーマル然とした見た目にこだわりたいという田中さんの希望で、純正の10インチホイールを装着し、タイヤはフロント145/80R10、リアは165/70R10を履かせている。外装については、ヘッドライトカバーとボンネットのストライプが特徴の「ヤングSS」仕様になっているのがポイント。かわいらしいスバル360だが、リアから見ればワンオフ製作のチタンエキゾーストマフラーが覗きスパルタンな雰囲気を醸し出す。
また室内にはフルバケットシートがセットされている。じつは田中夫妻はサーキット走行が大好きで、このスバル360でもたまに走っているという。エンジンスワップに加え、サスペンション、トランスミッションのギア比等も変更しているので、攻めた走りも楽しめるクルマに仕上がっているそうだ。
世の中にこんなにスゴイ発想のクルマがあったとは……。このクルマ、その名をつけるとしたらスバル360ヤングSS仕様の発展型だけに、「スバル660ヤングSC」なんてネーミングがふさわしいのではないか。田中夫婦の婚約指輪代わりの大切な1台。くれぐれも事故には気をつけ末永く乗って楽しんでもらいたい。
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