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役物ポルシェ強し! 5000万円で落札された「911 スピードスター」は人気コメディアンの愛車でした

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TEXT: 武田公実(TAKEDA Hiromi)  PHOTO: 2024 Courtesy of RM Sotheby's

人気コメディアンの元愛車に、5000万円近いハンマープライス

RMサザビーズが2024年5月31日〜6月1日に開催した「The Dare to Dream Collection」オークションに出品された1989年式ポルシェ911 スピードスターは、シルバーメタリックのボディカラーに「マリーンブルー」のレザーインテリアが組み合わされた「ターボルック」。

付属されるポルシェ公式鑑定書にも記載されているように、この車両はヘッドライトウォッシャーにクイックシフトレバー、ブラウプンクト社製「チャールストン」ラジオ、エアコン、そしてカリフォルニア州のエミッションコントロールに対応した触媒コンバーターなどの排ガス対策装備が、メーカーオプションとして追加されている。

北米におけるポルシェの正規代理店「ポルシェ・サンディエゴ」社を介してデリバリーされたこのスピードスターは、のちに人気コメディアンにして、ポルシェを筆頭とする素晴らしい自動車コレクションの主としても有名なジェリー・サインフェルドが入手した。

俳優、スタンダップコメディアン、脚本家。そしてTVシリーズ『となりのサインフェルド』のヒットにより日本でも知られているサインフェルド氏は、ポルシェ911について「真のスポーツカー。インテリジェントで完璧なエンジニアリング、そして見事なデザイン言語」と評している。そして今回出品されたスピードスターは、これらの特徴を余すところなく発揮しているといえよう。

この個体は2000年にサインフェルドのコレクションを離れ、走行距離8077マイル(約1万2900km)の段階で次のオーナーの手に渡った。そして「The Dare to Dream Collection」が最終的に2014年にこの911スピードスターを手に入れ、現在に至っている。

オークション公式ウェブカタログ作成時の走行距離は1万8256マイル(約2万9200km)と、35年間にわたって使用されてきたポルシェとしては控えめで、車両の全体的なコンディションは素晴らしいままである。サービスマニュアルの末尾には、2017年にエアコン・システムが整備されたことを確認できるインボイスが保管されている。

また、このオークションにおける落札者には、保証書と取扱説明書、純正ツールキット、ポルシェAG発行の鑑定書、あるいはいくつかのサービスインボイスも引き渡されることになっていた。

今回は「リザーヴなし」で出品

RMサザビーズ北米本社は「この1989年式ポルシェ911スピードスターは、卓越したヒストリーと魅力的なカラーリング、そして望ましいメーカーオプションにより、もとより希少かつ人気の高いスピードスターのなかでも、とくに望ましい1台」という煽情的なPRフレーズとともに、22万5000ドル(約3520万円)~27万5000ドル(約4300万円)というエスティメート(推定落札価格)を設定した。

なお、今回の「The Dare to Dream Collection」オークションは、すべて「Offered Without Reserve(最低落札価格なし)」形式で行われるというのが前提条件。したがってこの911スピードスターも、たとえ入札が希望価格に到達しなくても落札されてしまう「リザーヴなし」で出品されることになった。

しかし、やはり役物の911にはビッド(入札)が殺到するのがセオリーのようで、競売が終わってみればエスティメート上限を大きく上回る30万7500ドル、日本円に換算すると約4970万円という高価格で落札されることになったのだ。

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  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 1967年生まれ。かつてロールス・ロイス/ベントレー、フェラーリの日本総代理店だったコーンズ&カンパニー・リミテッド(現コーンズ・モーターズ)で営業・広報を務めたのちイタリアに渡る。帰国後は旧ブガッティ社日本事務所、都内のクラシックカー専門店などでの勤務を経て、2001年以降は自動車ライターおよび翻訳者として活動中。また「東京コンクール・デレガンス」「浅間ヒルクライム」などの自動車イベントでも立ち上げの段階から関与したほか、自動車博物館「ワクイミュージアム(埼玉県加須市)」では2008年の開館からキュレーションを担当している。
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