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なぜ黄色いクルマには虫が寄ってくる? フロントにびっしり虫の死骸がついてしまう代わりに事故が少ない理由とは【Key’s note】

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TEXT: 木下隆之(KINOSHITA Takayuki)  PHOTO: AMW

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虫が活発になる夏のドライブは大変……

レーシングドライバーであり自動車評論家でもある木下隆之氏が、いま気になる「key word」から徒然なるままに語る「Key’s note」。今回のキーワードは「虫のつきやすいクルマ」についてです。昔から黄色いクルマには虫がつきやすいと言われていますが、どうやら科学的根拠もあるようです。黄色いクルマに虫が寄ってくる理由とは一体?

虫が寄ってくるのは紫外線が原因のひとつ

「黄色いクルマは虫がつきやすい」

昔から語り継がれている定説です。黄色いのクルマには虫が寄りやすい性質があり、汚れるというもの。とくに虫が活動的になる夏場にドライブすると、フロントグリルやバンパーにおびただしい虫の死骸が付着して、不快な気持ちになりますよね。それがとくに黄色いボディ色である場合に顕著だというのです。

それはどうやら、迷信ではなく科学的に証明されているようです。虫は紫外線に寄ってくる性質があります。虫は紫外線を反射しやすいイエローやホワイト、あるいは明るいグリーンなどに反応するのだそうです。

一方で、ブラックやブラウンなどの、暗く沈んだ色味の紫外線反射率は低く、虫が反応しづらいとされています。明るい色の方に虫が付着しやすく、しかも、バンパーなどに付着した死骸は明るい色の方が目立ちます。よけいに不快感が残りますよね。

虫には光に吸い寄せられる性質もあります。走光性と呼ばれており、夜のキャンプでランタンなどの光源に集まってくるのも走光性であり、深夜の街灯に虫が群がるのも走光性です。

ハエや蚊を店内に入らないよう撃退するために、軒先に紫外線を発する防虫ライトを掲げている飲食店もありますが、それは虫の性質を巧みに利用しているのです。

人間も黄色など派手なクルマに目が行きがちなのも同じ理由?

そう考えてみると、人間にも虫同様に、紫外線に過剰感応することがあります。あるいは走光性があるのではないかと思うこともあります。

虫がつきやすいイエローやホワイト、あるいは明るいブルーやペーミントクリーンなどには、人間の目も反応します。街中を走っていても、イエローのクルマはとくに目立ちますよね。一方で、ブラックやブラウンなどのダーク系カラーは、クルマの存在を包み込んでしまいます。

ポルシェターボ

目立つ色味の方が、人間が認識しやすいことから事故率が低いとも語り継がれていますし、最近はデイライトが証明しているように、ライトオンすることで事故の危険性が下がるとも言われています。目立つ色味のクルマは虫がつきやすい代わりに、事故の危険性が低いのかもしれません。

虫と人間の習性を同じにしてしまうのもどうかと思いますが、虫も人間も生き物ですから、共通していても不思議ではありませんよね。

イエロー系のクルマを所有しているドライバーにとって、虫の被害が顕著な夏は嫌な季節かもしれませんが、その分安全なのだと思うと、ちょっと気が安らぎますよね。そうポジティブに捉えて、楽しいカーライフをエンジョイしてください。

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  • 木下隆之(KINOSHITA Takayuki)
  • 木下隆之(KINOSHITA Takayuki)
  • 1960年5月5日生まれ。明治学院大学経済学部卒業。体育会自動車部主将。日本学生チャンピオン。出版社編集部勤務後にレーシングドライバー、シャーナリストに転身。日産、トヨタ、三菱のメーカー契約。全日本、欧州のレースでシリーズチャンピオンを獲得。スーパー耐久史上最多勝利数記録を更新中。伝統的なニュルブルクリンク24時間レースには日本人最多出場、最速タイム、最高位を保持。2018年はブランパンGTアジアシリーズに参戦。シリーズチャンピオン獲得。レクサスブランドアドバイザー。現在はトーヨータイヤのアンバサダーに就任。レース活動と並行して、積極的にマスコミへの出演、執筆活動をこなす。テレビ出演の他、自動車雑誌および一般男性誌に多数執筆。数誌に連載レギュラーページを持つ。日本カーオブザイヤー選考委員。日本モータージャーナリスト協会所属。日本ボートオブザイヤー選考委員。
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