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VW「ビートル」ごときで760万円!? 西海岸セレブの元愛車はうっとりするほどキレイ! クラシック入門車として今こそ手に入れたい1台です

VW「ビートル」ごときで760万円!? 西海岸セレブの元愛車はうっとりするほどキレイ! クラシック入門車として今こそ手に入れたい1台です

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TEXT: 武田公実(TAKEDA Hiromi)  PHOTO: 2024 Courtesy of RM Sotheby's

人気俳優が長年愛用したヒストリー

このほどRMサザビーズ「The Dare to Dream Collection」オークションに出品されたVWタイプ1 ビートルは、「グリース」や「キャロル・バーネット・ショー」、「メアリー・タイラー・ムーア・ショー」など数々のブロードウェイ・ショーに出演したコメディ俳優兼作家のディック・パターソンが所有していたというヒストリーを持つ。

舞台のみならず、映画やTVでも活躍したディック・パターソンはもちろん、その妻パットにとっても最愛の伴侶であった、このVWビートルは、1985年に一家の自宅ガレージに永久保管されるまでは、2人で南カリフォルニアをドライブするのが日課だったという。

その後15年間は、パターソン家のもう1人のメンバーであるマート・マンソンが所有者となったものの、彼自身がフルレストアを依頼するまで、長らく不動状態のままだった。

このレストアの過程で、この小さな「バグ(Bug:ビートルの愛称)」には、いくばくかのパワー追加が必要と判断されたようだ。そこで、オリジナルのメンテナンスブックに記載されていることから確認できるナンバーズマッチのエンジンは、最終型ビートルと同等の1600ccにボアアップされたうえに、さまざまなパフォーマンスパーツを使用してアップグレードされたとのことである。

そして2013年、このビートルは「The Dare to Dream Collection」に売却され、現在に至っている。「EMPI」社製のアロイホイールやルーフキャリアなど、1980年代に日本でも大流行した「キャルルック」の定番スタイルが、ディックと妻パットがこのクルマを南カリフォルニアで愛用した時代の雰囲気をたたえるとともに、フルレストアによる素晴らしいコンディションを保つこのビートルは、カーショーやワインディングロードのドライブでも素晴らしい仲間であり続けるだろう。

オーナーズマニュアルとメンテナンスカードも付属

さらにこのVWタイプ1には、新車として収められた1966年までさかのぼるスタンプが押されたオーナーズマニュアルとメンテナンスカード、請求書、写真、そしてパット・パターソンが著した、彼女がディックとともに過ごした素晴らしき日々をタイプした回想録も添えられている。

「比類なき個性とハリウッドの歴史にあふれたこの1967年式VWビートルは、どんなガレージにも素晴らしいアクセントとなるだろう」。RMサザビーズ北米本社はそんなPRフレーズを添えて、3万ドル~4万ドルのエスティメート(推定落札価格)を設定した。

なお、今回の「The Dare to Dream Collection」オークションは、すべて「Offered Without Reserve(最低落札価格なし)」形式で行われるというのが前提条件。したがって、たとえ入札が希望価格に到達しなくても落札されてしまう「リザーヴなし」で出品されることになっていた。

上記のエスティメートは、「ロクナナ」こと1967年式VWビートルのマーケット相場からすれば、ちょっと高めという程度のもの。しかし、かつてはもっとも気楽に手を出せるクラシックカーだったVWビートルゆえに、「リザーヴなし」で起こりうるデメリットも危惧されたのだが、競売が終わってみればエスティメート上限を大幅に上回る4万7040ドルで落札されることになった。

つまり、現在のレートで日本円に換算すると約760万円という、たとえ現在の円安の為替レートを加味して考えても、なかなかけっこうなハンマープライス。この高評価には、かつてのセレブリティが愛用したヒストリーも含まれているのだろうが、その割にはリーズナブルといえなくもないのである。

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  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 1967年生まれ。かつてロールス・ロイス/ベントレー、フェラーリの日本総代理店だったコーンズ&カンパニー・リミテッド(現コーンズ・モーターズ)で営業・広報を務めたのちイタリアに渡る。帰国後は旧ブガッティ社日本事務所、都内のクラシックカー専門店などでの勤務を経て、2001年以降は自動車ライターおよび翻訳者として活動中。また「東京コンクール・デレガンス」「浅間ヒルクライム」などの自動車イベントでも立ち上げの段階から関与したほか、自動車博物館「ワクイミュージアム(埼玉県加須市)」では2008年の開館からキュレーションを担当している。
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