迫力のエアロにシザーズドアが印象的なゴールドソアラ
免許を取って初めて購入したクルマがトヨタZ20型「ソアラ」だったという釜堀さん。一度は手放したものの、自分にって思い出深いクルマということで、今から15年前に再び20ソアラを購入。当時を懐かしむように、昭和の頃のドレスアップを完全再現して楽しんでいます。
世界初のエアサスを搭載したハイソカー
日本経済がイケイケドンドンだった1980年代後半に、衝撃的なデビューを果たしたトヨタ2代目「ソアラ」は、好景気の時代の象徴として当時のクルマ好きにとって憧れの存在だった。また、この時代は「オトコならクルマでモテろ!」なんて言葉も生まれ、スペシャリティカーと呼ばれたデートカーの頂点にしてハイソカーの王者としても君臨した。
エンジンは直列6気筒3.0Lツインカムターボ7M-GT搭載モデルを頂点に、2.0Lツインカム・ツインターボである1G-GTE搭載モデルも設定。また、サスペンションは全グレードに乗り心地に優れる4輪ダブルウィッシュボーンを採用し、最上級グレードの3.0GTリミテッドには世界初のエアサスも搭載された。
そんなバブリーな20ソアラに憧れて「仕事を頑張り免許取得後に初めて買ったクルマです!」と話すのが福岡県久留米市在住の釜堀さん。ヤンチャな青春時代を過ごし、バイクでは漫画『湘南爆走族』、クルマなら漫画『シャコタン☆ブギ』に影響を受けたこともあり、当時の愛車20ソアラもイケイケな改造を施し楽しんでいた。
それからしばらくして、お気に入りの20ソアラは売ってしまい、別のクルマ購入の資金に充てる。これまで乗り継いだクルマは、71型「マークII」、61型「クレスタ」、10型「ソアラ」など多数あるが、やはり一番最初に乗ったクルマの記憶は自分の中に深く刻まれているもの。ウン十年が経過して、再び20ソアラに乗りたくなった釜堀さんは、程度の良い中古車を探し、当時と同じモデルである2.0GTツインターボを購入した。
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人気だったオートピスタのフルエアロで当時の姿を完全再現
現在の仕様は最初に購入したソアラに寄せた部分もあるが、当時お金が無くてできなかったことも含め、独自の改造スタイルを楽しむ。それは、過去の懐かしさを感じさせつつ、現代技術を使って快適な仕様へと作り込むカスタムだった。
ソアラ好きであればすぐにわかるエアロパーツは、このクルマが現役当時に最も人気が高かったオートピスタ(Autopista)製フルエアロキットを装着。伸びやかでエレガントなフォルムを作り出すべく、フロントスポイラー、サイドステップ、リアスポイラー、リアウイングを装着したフォルムは、令和の時代に見てもカッコ良い。また、当時のヤンチャスタイルとして流行ったボンネットはロングノーズ化も施してオリジナリティをアピール。その奥には懐かしのゲインズ製ビームスリーもセットしているからマニアックだ。
また、とんでもなく低く構えた車高は車高調ではなくエアサス装着によるもの。もちろん、純正エアサスではなく、現代の4輪独立エアサスペンション装着によって、走行モードと停車モードを瞬時に切り替え、使う場面に応じて自在に操れるように工夫。さらに、フェンダーアーチも叩き出し、シャコタン化した時にタイヤ&ホイールが干渉しない配慮も施す。
それ以外のポイントといえば、見た目も強烈なアピール力を放つシザーズドアは外せない。20ソアラの巨大で長い2ドアを垂直に持ち上げる姿は圧巻だ。重量もかなりあるが、強力なダンパーによってしっかり支えている。
また、ホイールも懐かしのBBS-RSを履かせている。このホイールは、もちろん当時物の3ピースをベースにしているが、当時のモデルはリム幅がなかったので、ディープリム仕様として、ディスクのみ再使用し、フロント9J×15、リア10J×15サイズにリバレルを施した。また、その際にディスクとピアスボルトをボディ同色のシャンパンゴールド仕上げたのもこだわりだ。
懐かしの20ソアラに自身の思い出を乗せて改造を楽しむ釜堀さん。今後の予定を聞くと、ほぼやり切ったので、ここからは現状維持とのこと。最初も20ソアラならば、最後のクルマも20ソアラとして、大切にメンテナンスしながら乗り続けていくと話してくれた。
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