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99台限定、8億7000万円のブガッティ「W16ミストラル」は開発最終段階で3万2000キロ走破! なぜ完売しているハイパーカーの開発進捗が発表されるのでしょうか?

ブガッティW16ミストラル、最終テスト段階に入る

ブガッティは2022年に発表し、限定99台を生産する「W16ミストラル」がデリバリー前の最終テスト段階に入っていると発表しました。発表当初の計画通り2024年後半に生産が開始されます。8L W16気筒エンジンに4つのターボを組み合わせ、最高速度420km/h、最高出力1600psを誇るモンスターマシンのここまでのテストの進捗をご紹介しましょう。

極限のバランス感覚を必要とする設計

ブガッティ「W16ミストラル」は、2015年以来、モルスハイムを出発した初のオープントップモデルであり、ブランドの比類なきW16エンジンの最後の作品である。プロジェクトの重要性と、ブガッティの代名詞であるスタンダードの維持を考えると、ミストラルのために設定されたテストプログラムは徹底的なものだった。

ミストラルの心臓部には、アイコニックなW16エンジンが搭載され、細心の注意を払って磨き上げられた新しいエアロダイナミクス特性と、完全に再設計されたモノコックがある。これらの要素を融合させ、420km/hを超える最高速度を実現しながら、揺るぎないパフォーマンス、卓越した音響特性、究極のラグジュアリーを提供することは、極限のバランス感覚を必要とする。

そして、ブガッティは、最高水準の性能、安全性、耐久性を提供するというコミットメントのもと、ミストラルのデザインのあらゆる面を慎重にテストしている。2024年後半に入り、W16ミストラルは最終テスト段階に入った。すでに実施された厳しい衝突テストでは、ミストラルが衝突時に乗員を充分に保護することができることが確認されている。これは新デザインの新型モノコックの統合を考えれば避けられないプロセスであり、北米や欧州を含むさまざまな市場でホモロゲーションを取得するために必要な安全基準である。

現代のブガッティのカスタマーカーがまだ到達していない合計4万キロを走行する

10月にエアロダイナミクスの評価を終え、W16エンジンとトランスミッションが期待される爽快なパフォーマンスを発揮することを確認するためにダイナモメーターを使用した後、ブガッティはミストラルのプロトタイプをさまざまな実走行条件下でのパフォーマンスを分析するためのテストを次々と実施している。これらのテストでは、安全性、排出ガス、耐久性、ドライバビリティが評価される。

ブガッティ・ミストラルの走行テストは徹底している。プロトタイプ2だけでも、すでに3万2000kmという距離を走破しており、その適応性と耐久性の能力を示している。これらのロードテストでは、W16ミストラルがさまざまな場所──標高の高い山岳地帯、さらには激しい交通状況の中を走破している。今後、ブガッティはさらに5000kmのサーキット走行を追加することで、さらに限界に挑戦する。こうした厳しいテストにより、ブガッティはこのクルマだけで合計4万kmを走行することになるが、これはデリバリーされた現代のほとんどのブガッティのカスタマーカーがまだ到達していない数字である。

残るテストプロセスで最も困難なのは、ミストラルの最高速度の検証であるだろう。しかしこれは、ミストラルが安全に420km/h以上に達することができる適切なコースを見つけられなかった場合に限られる。テストコースさえ確保できれば、はミストラルが記録を塗り替え、期待を上回ることをブガッティは確信している。

ハイパースポーツロードスターの新たなベンチマークを打ち立てる

「最終的な高速テストは、安全なコンディションで走行できる世界でも数少ないサーキットで行う予定だ。しかし、そのサーキットを利用できるようになれば、最高速の達成はもはや問題ではなくなる」

とチーフ・テクニカル・オフィサーのエミリオ・サーボ氏は付け加える。

ミストラル開発のテスト段階を通じて、ブガッティに期待される性能基準を満たすだけでなく、ハイパースポーツロードスターの安全性と信頼性の新たなベンチマークを打ち立て、比類ないラグジュアリーとドライビング体験を提供するクルマを提供することに開発陣は専念してきた。ミストラルのテスト走行も終わりに近づき、ブガッティ史上最もエアロダイナミクスに優れ、エモーショナルなロードスターの生産が、2024年後半にモルツハイムのアトリエで開始される予定だ。

AMWノミカタ

2022年に発表されたW16ミストラルの市場に登場する準備が整ってきた。このリリースはメディアに対したものではなく、むしろこのクルマを手に入れられた99人のラッキーなオーナーに対して発信されたもののように思える。500万ユーロ(現在の価値で約8億7000万円)のこのクルマをキャンセルするオーナーはいないとは思うが、パガーニ、アストンマーティンなども個性的なハイパーカーを発表している中、テストの進捗を報告し、当初の計画通りに2024年からデリバリーを開始できるというメッセージを改めて発信することは非常に大きな意味があると思う。

ブガッティは今年のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードに参加するという発表を行っていなかった。だが、実際にはこのデリバリー間近のW16ミストラルを投入してヒルクライムに挑み、次世代モデルである「トゥールビヨン」を一般公開し、その堂々たる勇姿を英国で披露して話題をさらった。これもオーダー済み納車待ちのカスタマーたちへのプレゼンテーションであるのだろう。

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