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20歳女子レーサーが日産S30「フェアレディZ」に乗ってみた!「ターボとは違う加速感がシビれます!」【令和女子旧車に乗る】

以前から「旧車の中でもS30型フェアレディZが特に好き」と語っていた佐々木さん。この日のロケはいつも以上にテンションが高かった

佐々木藍咲さんが一番好きな旧車、S30Zを初ドライブ

旧車好きな20歳の女性レーシングドライバー佐々木藍咲(ささき らみ)選手に、さまざまな旧車に試乗してもらい若者目線の素直なインプレをお届けする企画。今回は埼玉県のプロショップ「エスコート」の協力のもと、1971年式の日産初代S30型「フェアレディZ」に乗ってみました。

試乗車は、エスコートが仕立てた350馬力のハイチューン仕様

佐々木藍咲さんは富士スピードウェイで開催されている女性だけのモータースポーツカテゴリー「KYOJO CUP」で2023年シーズンに4輪レースデビューした、2004年生まれの若手女性レーシングドライバー。2024年の開幕戦では自己最高位の5位でチェッカーを受けた。そして今シーズンはGR86/BRZ Cupクラブマンシリーズにもスポット参戦。7月13日~14日に開催された富士ラウンドでは初参戦ながら予選44位、決勝37位で無事に完走するとともに、ルーキー賞を受賞した。

レーシングドライバーをする傍ら、普段はフォーミュラドリフトジャパンを運営する会社である「MSC株式会社」に勤めるという、公私ともにクルマ漬けの生活を送っている。

佐々木さんは根っからの旧車好きで、旧車ショップのツーリングに参加している様子をSNSに投稿していたりする。また。KYOJO CUPでは、来場者向けイベントとして旧車の助手席試乗体験が行われているのだが、そこに参加している旧車たちを自身のスマホで撮影するのはもちろん、空き時間があれば旧車オーナーに頼んでコッソリ(?)助手席試乗をしたりするほどだ。

今回は、1983年創業で今年で41周年を迎えるL型エンジンチューニングのスペシャリスト、「エスコート」の協力のもと、1971年式の日産初代S30型「フェアレディZ」に試乗してもらった。この試乗車は、L28型エンジンをベースにストロークとボアの変更で排気量を3.3Lにまで拡大。約350psを発生するという、ハイチューン仕様だ。

オーバーフェンダー&ツライチ具合もお気に入り

以前から「旧車の中でもS30型フェアレディZが特に好き」と語っていた佐々木さん。エクステリアのお気に入りポイントを聞くとひと言めは「え? 全部ですかね」と、素早いレスポンスで返ってきた。

「ロングノーズショートデッキのフォルム、テールまでキレイに流れているルーフライン、FRスポーツカーの王道のようなシルエットが好きです。あと、オーバーフェンダーやフロントバンパー、リアスポイラーなどは自分が好きな仕様ですごくカッコいいです。それに後ろからタイヤのトレッドが見えるツライチ具合もいいですね。なにより、好きなオレンジ色なのもすごく惹かれます!」

続いて実際に運転席へ。憧れの強かったS30Zということもあり、この日のロケはいつも以上に佐々木さんのテンションが高かった。

「内装は軽量化のためか、ある程度取り払われている部分があるのですが、ボディの見える部分もしっかりと外装色と同じオレンジに塗装されているのが、細かく作り込んでいる感じがしてすごく素敵です!」

室内はダットサン コンペステアリングといった、この年代の日産車定番アイテムも装着しているが、現行アイテムであるレカロのフルバケットシートRMSやDefiの最新追加メーターが備わっていて、「現役」であることを感じさせるインテリアだ。

現代のチューニングカーにも負けなさそうな感触!

試乗を終えた佐々木さんはまずひと言、「ヤバいです……とっても速いです……」とコメント。憧れていたクルマに乗れたこと自体もそうだが、エスコートによるハイチューンに深く感動していた。

「下からトルクがあって、街乗りもトルク面では全然不安がないのですが、6000rpmからグッとパワーが出てきて、7000rpmより上でもうひとつ上の段階があるような感じですね。下でもしっかりトルクが出ているのに、これだけ上の気持ち良さがあるのが凄いです。今まで体感したことないような、ターボとは違う加速感がシビれますね」

またフットワーク性能についても、サーキットで戦う佐々木さんを満足させる仕上がりだったようだ。

「サスペンションは硬い印象はありますが、旧車特有のフワフワ感がなくて安心して高速域で踏んでいけそうな感じがありますね。ブレーキもフロントがブレンボキャリパー、リアがZ31キャリパーに替わっていて、しっかりしている感じです。LSDも入っていて、今まで乗ってきた中で一番チューニングカーらしい雰囲気ですね。現代のチューニングカーにも負けなさそうな感触がありますよ!」

キャブ車ならではの扱いにくさに悪戦苦闘する場面も

ただ、ハイチューンな旧車特有の扱いづらさは、この企画を通じて旧車慣れしてきた佐々木さんでも感じることがあったようだ。

「キャブレターなので、信号待ちなどで少しスロットルを操作しなきゃいけない時があったり、低速では気を使わなきゃいけない部分もあります。またOS技研製のツインメタルクラッチが入っていて、半クラッチが狭くて扱いがシビアですね。あと、駆動系で言えばS30Zなのに6速もあってビックリしました!」

6速マニュアルトランスミッションの正体は、ニスモ製の「シルビア」用6速クロスミッション。エスコートがL型エンジン専用ベルハウジングを製作し、完全ボルトオンキットを販売しているのだ。このようなチューニングメニューからも、「旧車を現役で速く走らせる」そんな目的が垣間見える仕様なのだった。

佐々木藍咲選手の日産 S30型 フェアレディZ 〇と×

好きなポイントは?

「う~ん……全部! ひとつに絞らなきゃダメですか?」

マイナスポイントはある?

「しいて言えば……な部分ですが、自分にはシートポジションが高かったことですかね。マイカーなら調整したいポイントです」

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