ブガッティの往年の名車がイギリスに勢揃い
サーキットを離れても、ブガッティファンは自動車の歴史と革新の忘れがたい展示を楽しんだ。なかでも目を引いたのは、ブガッティを象徴する「タイプ57」などの見事なモデルを集めたブースでの展示だった。1936年の「タイプ57S アトランティック」から1939年の「タイプ57C ガングロフ」まで、特別にキュレーションされた貴重な展示車は、ブガッティ・ブランドの最も壮麗な作品のひとつを際立たせた。
1993年から毎年開催されているグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードは、毎年25万人以上の来場者を迎え、世界最大の自動車の祭典となっている。ヒルクライムはこのイベントの中心であり、1930年代の「タイプ35レーシングカー」や1990年代の「EB110」など、ブガッティの往年の名車がイギリス国民に強い印象を与えている。
ブガッティの2024年大会への参加は、卓越した自動車の限界を押し広げるというブランドのコミットメントを強調し、世界中の自動車ファンの間でその地位を確固たるものにした。トゥールビヨン、W16ミストラル、ボライドを通じて、ブガッティのその比類なき魅力と比類なき革新性が来場者に再確認された。
AMWノミカタ
今年のブガッティはヒルクライムではW16ミストラルやボライドのようなW16エンジンを象徴するモデルが登場し、展示では過去の名車であるタイプ57Sや57Cを展示するまさに過去と未来をつなぐ内容だったように思える。
トゥールビヨンもイギリスでは初お披露目ということもあり、英国のファンにブガッティの未来の姿を強く印象つけることとなったであろう。グッドウッドのイベントでは量産メーカーだけでなく多くのラグジュアリーブランドやハイパーカーブランドが参加していることに驚く。そして歴史的な展示を行っているブランドも多く、そのブランドが歩んできた道のりを知ることができる。そんな姿に実際に触れることでブランドの哲学やクルマ作りのポリシーが来場者に浸透してゆくのであろう。グッドウッドのような老若男女楽しめるイベントは世界でも稀であり、各ブランドがこのイベントを重要視している理由がわかる気がする。