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生産554台のみの日産初代「シルビア」で日本全国のイベントに自走で参加…旧車愛にあふれたオリジナル度の高い1台を見せてもらいました

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TEXT: 青木邦敏(AOKI Kunitoshi)  PHOTO: 青木邦敏(AOKI Kunitoshi)

  • 日産 シルビア:初代は554台しか生産されなかった
  • 日産 シルビア:1964年の東京モーターショーで発表され、翌1965年4月に発売された
  • 日産 シルビア:ボディカラーは当時のテーマカラーであるオリーブに近いシャンパンゴールドのまま、ストック状態をキープ
  • 日産 シルビア:基本コンポーネンツを含め、ボディはストック状態
  • 日産 シルビア:、センターコンソールやドアサイドパネルにあしらわれたアルミパーツ、クロームメッキリング付きメーターなど、腐食しやすい箇所の状態も良い
  • 日産 シルビア:本革内装とクロームメッキを対比させてコーディネートするインテリア
  • 日産 シルビア:当時の広告やカタログもストックしている
  • 日産 シルビア:R型1.6L直4 OHVエンジンを搭載。SUツインキャブ仕様で90psを発揮する
  • 日産 シルビア:流麗で優雅なクリスプカットと呼ばれる洋風クーペデザイン
  • 日産 シルビア:初代シルビアの当時の販売価格は119万1000円。あの高級車セドリックを超える金額だった

レトロフューチャーを実現させた初代シルビア

今から60年前の1964年に発表された日産初代「シルビア」を愛車として、大切に乗り続けているのが兵庫県加古川市在住の大崎晃司さんです。このクルマと大崎さんの凄いところは、博物館級の貴重なクルマにもかかわらず、現役のクルマ同様に全国各地で開催される旧車イベントに自走で行き、参加することを楽しんでいることです。

生産台数はたったの554台

ギリシャ神話の美しい女神「シルビア」が名前の由来となり、1964年の東京モーターショーで発表され、翌1965年4月に発売された日産の初代CSP311型「シルビア」。流麗で優雅なクリスプカットと呼ばれる洋風クーペデザインの作り込みは素晴らしく、この時代に継ぎ目のないボディを採用。境目があるのは、ドア、トランク、ボンネット開口部のみで、その他はメリハリを付けた面のみで構成されている。

大崎晃司さんの初代シルビアは、旧車イベントにおいて有名な車両だ。それは、このクルマが希少車ゆえという理由が一番にある。初代シルビアの生産期間は、1965年3月から1968年6月までの3年間のみ。そして、その生産台数はたったの554台であり、大崎さんはそんなクルマに乗って、自走で旧車イベントに参加するのだから、つくづく旧車愛の強い人だと感じる。

大崎さんの愛車の初年度登録は1966年で、ボディカラーは当時のテーマカラーであるオリーブに近いシャンパンゴールドのまま、ストック状態をキープしている。

基本コンポーネンツを含め、ボディはストック状態で、シャシーはP310型ダットサン「フェアレディ1600」をベースに、リアのオーバーハングを切り詰めて、X型メンバーのラダーフレームにダブルウィッシュボーンのフロントサス、リーフリジット式のリアサスペンションをセットしている。

また、エンジンは、1964年の東京モーターショーモデルでは1.5L直4G型エンジンを搭載していたが、発売されたモデルには、G型をベースにボアを拡大させショートストローク化させることで進化したR型1.6L直4 OHVエンジンを搭載。このエンジンは、当時、最も優れたパワーユニットとしてSUツインキャブ仕様で90psを発揮し、初代シルビアのほか、フェアレディ1600、410型「ブルーバードSSS」にも同じエンジンが搭載された。

日本初のスペシャリティカー

初代シルビアのスタイリングは比類なきもので、それはインテリアについても同じことが言える。本革内装とクロームメッキを対比させてコーディネートする車内は、ダッシュボードのデザインも美しく、上質な雰囲気を漂わす作りになっている。

そして、普段乗りやドライブにも使う大崎さんの愛車ではこのインテリアに、助手席クーラー、ナビゲーション用モニターといった快適装備を追加装備する。それ以外は、基本的に純正キープであり、センターコンソールやドアサイドパネルにあしらわれたアルミパーツ、クロームメッキリング付きメーターなど、腐食しやすい箇所の状態も良い。

この初代シルビアというクルマは、日本初のスポーツ性とラグジュアリー性を併せ持つスペシャリティカーと呼べる1台として登場したモデルだった。実際、そんな言葉が当時あったかは不明だが、そういう価値をあたえるべく、新たなチャレンジを試みて開発されたクルマであることは間違いない。

どの角度から見ても美しいフォルムを持ち、その斬新で優れたデザインは、現代のクルマとしても通用する。もし、再び近年噂されているシルビア復活が実現するのなら、レトロフューチャーを実現させた初代シルビアのデザインに傚ったカーデザインを採用するのも、現代流だと思う。

>>>2023年にAMWで紹介されたクルマを1冊にまとめた「AMW car life snap 2023-2024」はこちら(外部サイト)

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  • 青木邦敏(AOKI Kunitoshi)
  • 青木邦敏(AOKI Kunitoshi)
  • 1969年生まれ。某出版社でドレスアップ誌、チューニング誌の編集長を歴任。2006年に自動車・バイク専門の編集プロダクション株式会社バーニーズを設立。自動車専門誌をはじめ、チューニング、カスタム系、旧車、キャンピングカー、アウトドアに関する媒体を新たに立ち上げる。これまでの愛車は、セリカXX、スカイライン、AE86、AE92、シビック、スープラ、シルビア、180SX、ロードスター、RX-7、BMW850iなどなど。他にもセダン系、バン系、ミニバン系など数多くのクルマを乗り継いでいる。
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