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112発命中! 映画『俺たちに明日はない』の壮絶なラストシーン…ボニー&クライドが実際に使った逃走車フォード「V8」は弾痕なまなましく現存します

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TEXT: 佐藤 圭(SATO Kei)  PHOTO: 佐藤 圭(SATO Kei)

銃弾112発がフォードV8に命中!

アイビーを見つけたクライドがスピードを落とすや否や、警官がフォードV8に約130発もの銃弾を浴びせかける。112発がクルマに命中しクライドは頭を撃たれ即死、ボニーも26発の銃弾を受けすぐに相棒の後を追う。このシーンは劇中でも正確に再現されており、ふたりが絶命したところでエンディングとなる。

このときボニーは23歳、クライドは25歳だった。彼らが乗っていたフォードV8はその後コレクターの元を転々とし、2009年からはネバダ州プリムのカジノに展示されている。凶悪な犯罪者とはいえ凄惨な死を遂げた現場でもあるクルマが、観光資源として活用されていることに驚きつつ立ち寄ってみた。弾痕は左右のドアまわりに集中し、警官隊の強い殺意が感じられる。クライドが最後に着ていたシャツは背中の側が穴だらけで、待ち伏せに気付きとっさに身を捻ったのではないだろうか。

彼らの写真や当時の新聞などもいくつか展示されており、このクルマを目当てに訪れる人も少なくはないようだ。なお映画『俺たちに明日はない』でクライドを演じたのは、シャーリー・マクレーンの弟であるウォーレン・ベイティ。ボニー役は『チャイナタウン』で主演したフェイ・ダナウェイ。彼女が170cmと結構な長身であるのに対し、実際のボニーは150cmと小柄だった。

フォードV8の傍にマシンガンを構えて立つマネキンは、身長から映画版のボニー・パーカーを模していると思われる。ちなみに私が撮影したときは「ウィスキー・ピーツ・ホテル&カジノ」だったが、現在はすぐ近くにある「プリムバレー・リゾート&カジノ」に移動したようだ。13人も殺害した稀代の犯罪者カップルながら、支持する者も少なくなかったボニーとクライド。2019年には彼らを追う側の視点で描かれた『ザ・テキサス・レンジャーズ』が、ケビン・コスナー主演のNetflixオリジナル映画として配信されている。機会があれば1967年の『俺たちに明日はない』と併せて視聴してみて欲しい。

劇中車:フォード「V8」
生産年:1932年

『俺たちに明日はない/Bonnie and Clyde』
公開年:1967年
上映時間:111分
監督:アーサー・ペン
出演:ウォーレン・ベイティ、フェイ・ダナウェイ、ジーン・ハックマン、マイケル・J・ポラードほか

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  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 1974年生まれ。学生時代は自動車部でクルマ遊びにハマりすぎて留年し、卒業後はチューニング誌の編集部に潜り込む。2005年からフリーランスとなり原稿執筆と写真撮影を柱にしつつ、レース参戦の経験を活かしサーキットのイベント運営も手がける。ライフワークはアメリカの国立公園とルート66の旅、エアショー巡りで1年のうち1~2ヶ月は現地に滞在。国内では森の奥にタイニーハウスを建て、オフグリッドな暮らしを満喫している。
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