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昭和のデートカーの王者はトヨタ「ソアラ」に決定! 女子大生に大人気だったハイソ(死語)なクルマはいつ日本から消えた?

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TEXT: 青山尚暉(AOYAMA Naoki)  PHOTO: AMW

  • 初代ソアラ
  • トヨタ ソアラ(初代)
  • トヨタ ソアラ(初代)
  • トヨタ ソアラ(初代)のインパネ
  • 2代目トヨタ ソアラ
  • 2代目トヨタ ソアラはパワフルな走りも楽しめた
  • 3代目ソアラのフロントビュー
  • トヨタ ソアラの走り
  • トヨタ ソアラ(初代)のシート
  • 4代目ソアラのフロントビュー
  • 初代トヨタ ソアラ

ライバルが敵わないほどの人気を誇ったハイソカー

一時期には一世を風靡するほど街でよく見かけたモデルであっても、気がつくとまったくお目にかかることがなくなったクルマがあります。嫌になるほど目についたクルマも、忘れ去られるのは一瞬。忘れてしまうのは寂しくも勿体ないと、ここではそんな時代を象徴するような人気モデルに焦点を当ててみたいと思います。今回はハイソなデートカーとして絶大な人気を博したトヨタ「ソアラ」に思いを馳せ、どのようなモデルだったのかを紹介していきましょう。

若者を中心にハイソなデートカーとしても絶大なる人気を得る

今から40年ほど前の1980年代は、日本車が大躍進した時代でもあった。とくに若者から大人までを熱狂させた高級なパーソナルカーが続々と登場。そのきっかけとなったのが、1980年にデビューした日産「レパード」、そして日本車の歴史に深く刻まれた、トヨタ初の高級パーソナルカー/ハイソカーの象徴とも言われるZ10型トヨタ「ソアラ」が1981年にデビューしている。

ソアラは当時のBMW「6シリーズ」やメルセデス・ベンツ「SLクラス」などの欧州GTを目指していたとも言われ、グレードにも2800GT、3.0GTリミテッドといった名前が付けられていたのである。駆動方式はもちろんFR。サスペンションは全グレードともに四輪独立懸架でフロントストラット、リアセミトレーリングアームとし、上級グレードのブレーキは4輪ディスクであった。2.8GT、2.8GTリミテッドには、TEMSと呼ばれる電子制御サスペンションが採用され、まさにトヨタの最先端技術を惜しみなく投入していたのである。

そんなソアラはバブル期前という時代に大ヒット。前期型のボディサイズは全長4675mm×全幅1695mm×全高1360mm。ロングノーズ、ショートデッキの2ドアノッチバッククーペであり、とくにスーパーホワイトのボディカラーの人気がダントツであり、「白いソアラ」は若者を中心にハイソなデートカーとしても絶大なる人気を得ることになったのである。

初代日産レパードや初代ホンダ レジェンドも敵わなかった

パワーユニットはレパードが4気筒と6気筒の2本立てだったのに対して、ソアラは全車直列6気筒で、VXは2L OHC/125ps(1G-EU)、2800GTと2800GT-EXTRAは2.8L DOHC/170ps(5M-GEU)ユニットを搭載。ミッションは4ATと5MTが選べた。1985年には2.8Lユニットが6M-GEUの3L DOHC、190psに置き換えられている。2.8L以上もモデルの動力性能がパワフルであったことは言うまでもなく、当時のチューニングベース車の花形の1台となったのも頷ける。

その空前の人気、ハイソカーブームの盛り上がりもさることながら、クルマとしての完成度の高さ、先進技術の投入、ラグジュアリーなインテリア、世界初とも言われたデジタルスピードメーター、バーグラフ式タコメーター、マイコン制御のオートエアコンなどの「未体験ゾーン」となる先進的な装備の充実度、イメージカラーのブロンズに合わせたブロンズガラスの採用もあって、第2回・1981-1982年日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞。

2800GTの価格は275万円(東京地区)と、当時の国産車としては高価だったものの、しかし、まったく手の届かない価格ではなく、多くのソアラに熱狂した若者が親に買ってもらったり(?)、長期ローンを組んでこぞって手に入れたのである。当然、ハイソな女子大生からの人気が沸騰。「泣く女子も笑顔にできる」国産車史上最強のデートカーにもなったのである。なお、当時の国産ライバルとしては、初代日産「レパード」のほか、初代ホンダ「レジェンド ハードトップ」などが存在したが、ソアラ人気に敵うことはなかった。

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