走りのプロをも唸らせる加速力の持ち主
1983年には後期型となる初のマイナーチェンジが行われ、内外装の変更をはじめ、2L DOHCエンジンを投入。1984年には国産車悲願のドアミラー解禁によって、全車ともに電動調整式ドアミラーが装備されることになった。初代ソアラの最終型となる1985年モデルでは、ソアラの象徴ともいえるエレクトロマルチビジョン(3.0GTリミテッド)も搭載され(1986年デビューのZ20 2代目ソアラに引き継がれた)、初代でもっともソアラらしいソアラ……とも称されていた。
そんなトヨタ ソアラはバブル前夜の1986年にキープコンセプトの2代目に進化。初代の人気から、キープコンセプトは当然のことだが、乗降性を高める画期的なイージーアクセスドアの採用や前後サスペンションをダブルウィッシュボーンとするなど、走りへのこだわりも一層強くなった2代目ソアラは、3L直6ターボエンジンを積む3.0GTリミテッドでは230ps/33.0kg-mの走行性能で海外でも通用する、走りのプロをも唸らせる加速力の持ち主であり、初代同様の大ヒット作となったのである。
3代目は主に北米のレクサスブランド向け
ちなみに1991年デビューの3代目は主に北米のレクサスブランド向けに開発されたため、初代、2代目のエクステリアデザインとは決別。海外ではレクサス初代「SC」と呼ばれているが、日本での人気は振るわなかった。4代目はマイアミのセレブマダム向け(?)を謳う電動格納式ハードトップのコンバーチブル(2+2シート)となった。2005年に国内でもソアラからレクサスSCとなり、ソアラの車名はここで途絶えることになった。
とはいえ、今から43年前にデビューした初代ソアラ、39年前にデビューした2代目ソアラのハイソカーとしてのカッコよさは、今でも決して古さを感じさせない、伝説の日本車史上に残るスペシャルティカーと言っていい。それもあって、中古車価格はプレミアムとなり、2代目が中心となるが、200~300万円の値付けの個体も見受けられる(基本的に保証なし)。ある中古車サイトを検索してみたら、走行2.5万km、スーパーホワイトのフルオリジナルの3.0GTリミテッドで399.3万円で販売されている個体もあった。