ユニークな発想で遊び心と実用的を両立したキャブコン
三重県津市に本店を構えるキャンピングカー専門店「ダイレクトカーズ」は、トヨタ「ハイエース」ベースのバンコンをはじめ、キャブコンや軽キャンなど多彩なモデルを手がけています。同社はテレビ東京の人気番組『ガイアの夜明け』で取り上げられ、キャンピングカーになじみがない視聴者にも広く知られる存在となりました。そんなダイレクトカーズの中でも特に話題になっているモデルが「からくり仕掛け」というユニークな発想を取り入れたキャブコン「ニンジャ(NINJA)」です。
走行安定性も考慮されたデザイン設計
ダイレクトカーズは多様化する外遊びのニーズに対応した新機軸のキャンピングカーを数多く手がけているが、遊び心がありながらも実用的でギミックな作り込みにおいては、これまでのシリーズの中で「ニンジャ」ほど凝った作りのモデルは無かったように思える。
「キャブコン」とは「キャブコンバージョン」の略で、トラックをベースにシェルを架装したモデルのことを指すが、ダイレクトカーズではキャンピングカーのベース車両としてトヨタ「カムロード」にバンクベッドを備えるオリジナルボディシェルを製作してフル架装した。サイズは全長5160mm×全幅2060mm×全高2950mmと大型だが、通常のキャブコンと違い、空力特性を追求し考えたエアロボディを採用している点が新しい。全体のフォルムだけでなく、トヨタ「タンドラ」を彷彿させるフェイスパネルや一体成型ウイングスポイラーも特徴的だ。ボディ自体に整流効果とダウンフォースを持たせることで、走行安定性をより高め、安全性に寄与している。
このニンジャの車名は「からくり屋敷」のイメージから付けられ、その隠されたからくり機能は主にエクステリアに集中している。一番のポイントは見た目ではわからない大容量の収納庫にあり、それらは車両サイドと後部にスライド式大型外部収納庫として装備されていた。それぞれ大人が入れるほどの大容量収納庫には、アウトドアグッズを含めたさまざまな遊び道具を余裕を持って収納できる。
また、ユニークなのが車両の最後部にあるリアバンパーごと手前に引き出してスライドさせると、長さ1870mm×幅530mm×高さ360mmの大容量収納庫が出現することだ。ここにはボディ幅分の長物の収納が可能だ。
各収納庫はキャビン部床下に設置し、室内の広さを犠牲にしない設計となっている。走行中は車体に余計な出っ張りもないため、走行安定性を高めるエアロ効果も考えた設計になっている。