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ついに「ディーノ246GTS」が1億円を超えた! フェラーリの名がつかない跳ね馬…しかしエンツォの想いが込められたクルマとは

ついに「ディーノ246GTS」が1億円を超えた! フェラーリの名がつかない跳ね馬…しかしエンツォの想いが込められたクルマとは

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TEXT: 中村孝仁(NAKAMURA Takahito)  PHOTO: 2024 Courtesy of RM Sotheby's

定期的なメンテナンスが施された1台

カナダで登録されている、シャシーナンバー07730、エンジンナンバー11855、ギアボックスナンバー2912のディーノ246GTSは、ボディを含めいずれもナンバーマッチしており、2019年にフェラーリ・クラシケに認定されている。2.4Lエンジンを積みルーフが取り外し可能な246GTSはシリーズIIIとなった1972年以降1974年まで製造されたもので、シャシーナンバー07730は最終年の1974年1月に完成し、アメリカ向けモデルとしてマイル表示のメーター、パワーウインドウ、エアコンが装備されている。

アメリカではキネッティ・ガースウェイトによってディストリビュートされ、イリノイ州レイクフォレストのクナウズ・コンチネンタル・オート社に割り当てられたこのクルマは、ノースカロライナ州アッシュビルのブルナー・アンド・レイ社に新車として販売された。

その後10年間で、さらに2人のオーナーを経て、1984年にイリノイ州ジョリエットの著名なコレクターである、ビル・ジェイコブス氏に買い取られた。その時点では、走行距離は700マイル未満だったと言う。しかし、ジェイコブス氏はすぐにこのクルマをシカゴのマイケル・レベンサル氏に売却。そして彼が35年の長きにわたりこの車を所有し続けたのである。

クルマに付随する書類は保証書に始まり、1985年までのサービス請求書、フェラーリ・ブランドのエキスパートであるマルセル・マッシニによる履歴レポートなどがある。そしてレベンサル氏はディーノを約10年間保管した後、再びデイリーユースとし、その後は定期的に整備しながらあまりドライブしなかった。記録された走行距離が徐々に増えていくことから6597マイル(1万616km)という走行距離はオリジナルのものであると考えられる。

ボディは再塗装、シートは張り替え済み

2020年1月にデア・トゥ・ドリーム・コレクションに売却された後、このクルマはロッソ・キアーロのオリジナルカラーでベアメタルから再塗装され、デイトナスタイルのシートは新しいパッドと革張りでリビルドされている。メカニズムは2022年にロサンゼルスのGTOエンジニアリングによって一連のメンテナンスを受け、オルタネーターとレギュレーターがリビルドされた。

RMサザビーズでは、50万ドル〜60万ドル(邦貨換算約7770〜9325万円)のエスティメート(落札予想価格)を掲げていたが、近年少し落ち着いたとはいえ特に上昇傾向にあるフェラーリ各モデルの価格を反映してか、日本円にして約1億2000万円を超える77万5000ドルで落札されている。

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  • 中村孝仁(NAKAMURA Takahito)
  • 中村孝仁(NAKAMURA Takahito)
  • 幼いころからクルマに興味を持ち、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾る。 大学在学中からレースに携わり、ノバエンジニアリングの見習いメカニックとして働き、現在はレジェンドドライバーとなった桑島正美選手を担当。同時にスーパーカーブーム前夜の並行輸入業者でフェラーリ、ランボルギーニなどのスーパーカーに触れる。新車のディーノ246GTやフェラーリ365GTC4、あるいはマセラティ・ギブリなどの試乗体験は大きな財産。その後渡独。ジャーナリスト活動はドイツ在留時代の1977年に、フランクフルトモーターショーの取材をしたのが始まり。1978年帰国。当初よりフリーランスのモータージャーナリストとして活動し、すでに45年の活動歴を持つ。著書に三栄書房、カースタイリング編集室刊「世界の自動車博物館」シリーズがある。 現在AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)及び自動車技術会のメンバーとして、雑誌、ネットメディアなどで執筆する傍ら、東京モーターショーガイドツアーなどで、一般向けの講習活動に従事する。このほか、テレビ東京の番組「開運なんでも鑑定団」で自動車関連出品の鑑定士としても活躍中である。また、ジャーナリスト活動の経験を活かし、安全運転マナーの向上を促進するため、株式会社ショーファーデプトを設立。主として事業者や特にマナーを重視する運転者に対する講習も行っている。
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