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ホンダ「アクティトラック」に5コイチエンジン搭載! ミッドシップゆえに爆速となったレース仕様の魔改造軽トラは、もとバイクのトランポ!?

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TEXT: 青木邦敏(AOKI Kunitoshi)  PHOTO: 青木邦敏(AOKI Kunitoshi)

  • ホンダ アクティトラック:軽商用車唯一のミッドシップレイアウトを採用するモデルである
  • ホンダ アクティトラック:原点は1963年に登場した「T360」にあり、クランク軸から駆動輪までの最短距離を追求したデザインはF1に通じる設計でもある
  • ホンダ アクティトラック:ホーンボタンに赤いホンダマークが入ったタイプR仕様ステアリングを装着
  • ホンダ アクティトラック:軽量化された室内
  • ホンダ アクティトラック:内装はレーシーにフルバケットシートを装着
  • ホンダ アクティトラック:シフトノブはわかるヒトならわかるタイプR用をセットする
  • ホンダ アクティトラック:エンジンは5個イチで組み上げられている
  • ホンダ アクティトラック:リンクコンピュータは自分のパソコンに繋ぎ、その日のコンディションに合わせてセッティング出しを行っていた
  • ホンダ アクティトラック:剛性アップ用にロールバーを装着させているが、アルミ製なのであまり効果が出ていないという
  • ホンダ アクティトラック:フロントがバモス用車高調キットをベースに加工を施し、板バネ仕様のリアにも、走りをよくする秘密のアイテム+SPL加工を施している
  • ホンダ アクティトラック:レイズ ボルクレーシングのホイールを履く
  • ホンダ アクティトラック:スタイルは和製トラックレーサーの雰囲気がカッコ良い
  • ホンダ アクティトラックと、オーナーの“ナナサキ”さん
  • ホンダ アクティトラック:ミッドシップのため、アオリ等を取り外しても、むしろ程よい前後重量バランスになる
  • ホンダ アクティトラック:軽トラの荷台に取り付けられたアオリ等は取り外されている

軽トラ唯一ミッドシップカーのアクティを流用チューン

今や軽トラでのクルマ遊びというとドレスアップだけに留まらず、ミニサーキットにおいてワンメイクレースが開催されるほど広がりを見せています。今回紹介する“ナナサキ”さんは愛車ホンダ「アクティトラック」を駆り、サーキット走行の魅力にどっぷりハマッてしまったひとり。最初は気軽な気持ちで参加したものの、次第にレースとなると持ち前の負けず嫌いな性格が出て、もっと速く走るためにチューニングに没頭。ほぼ手探りの創意工夫チューンによって、軽トラとは思えないパワフルな加速と鋭いコーナーリング性能を発揮するマシンを完成させました。

バイクレース引退から軽トラでのレースへ

“ナナサキ”さんはバイクレース経験者で、このホンダ3代目「アクティトラック」はもともとトランポとして使っていた。レースともなれば転倒やクラッシュは付きもの。若い頃は体も丈夫でなんとかなっても、やはり年齢とともに衰えは隠しきれないもの。そう思った瞬間にバイクレース引退を決意した。

だが、サーキット遊びの刺激を味わった者は、再びサーキットに戻りたくなる。バイクも手放し、あるのは当時トランポとして使っていたアクティトラックのみだった。そんな時、SNSを眺めていると、ミニサーキットで軽トラワールドGPなんて競技が開催されているとの情報を入手。これはちょっと面白いかも……ということで、トランポのアクティでレースにエントリーしてみたら、そこには偶然にも高校時代の友人がスズキ「キャリイ」に乗って参加していた。

“ナナサキ”さんはレース経験者である。昔なじみが同じレースに参加していたら自然とこう思うはずだ、「アイツにはゼッタイに負けたくない」と。そんな負けず嫌いの“ナナサキ”さんが駆るアクティとは違って、友人のキャリイはかなりイジッていて速かった。最初の頃はまったく追いつけなかった。そもそもレギュレーションによってクラスも違っていたので、ほぼノーマルのアクティトラックではタイム差だけでなく、同じ土俵にも立てず、戦いにすらならなかった。

パーツの少なさに苦労するが、バイクの知識を活用して乗り切る

こうなると燃えてしまう! だったらと、自分のアクティトラックのポテンシャルを高めるべくサーキット仕様としてのチューニングを開始。だが、現実はベースとなるアクティトラックに厳しく、“ナナサキ”さんは少しだけ途方に暮れる……。

いざチューニングを開始しようとするも、人気車種であるキャリイと違って、軽トラ界でマイナーなアクティは、ほとんどアフターパーツが存在していないことが判明。そこで気持ちを切り替え、バイクいじりで培ったメカの知識を武器に他車種からの流用チューンでなんとかする方法を模索。純正のままでは、まったくパワーが足りず、また、サスペンションもプアでギア比にも問題を抱えて失速する、といった欠点をひとつずつ解決するチューニングをあみ出した。

幸いなことにアクティトラックは、軽トラで唯一のミッドシップ・レイアウト車なので、ハンドリングとトラクションのかかりは良い。広報資料によると、もともとホンダの考えは、スポーティな操縦性を狙ったわけではなく、荷台スペースを広くフラットにするための合理的な設計というのが理由だった。しかし、その構造を採用した結果、重量配分はナナサキさんの3代目アクティトラックでは前49:後51を実現。このバランスの良さによって、空荷でも後輪にしっかりと荷重が加わり、優れたトラクション効果を引き出した。また、ミッドシップによって、ウネリのある路面など、滑りやすい場面でも後輪が空転する心配は少なくなるメリットも生み出されていた。

>>>2023年にAMWで紹介されたクルマを1冊にまとめた「AMW car life snap 2023-2024」はこちら(外部サイト)

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