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スズキが22年ぶりに「鈴鹿8耐」に帰ってきた!「カーボンニュートラル」で臨んだワークスチームの気になる結果は…?

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TEXT: 青山義明(AOYAMA Yoshiaki)  PHOTO: 青山義明(AOYAMA Yoshiaki)/SUZUKI

  • ブレーキでは、サンスターの熱処理廃止鉄製ブレーキディスク+ローダストパッドを採用
  • フェンダーにはスイスBcomp社の天然亜麻繊維を使用した革新複合材料を使用している
  • リアフェンダー上にはCNチャレンジ各社のロゴが並ぶ
  • 前後フェンダーだけでなくこの小さなパーツでもBcompの植物由来コンポジット製品が装着された
  • スズキのピットでは、ACO(フランス西部自動車クラブ)のピエール・フィヨン会長、そしてジル・ウッドパン副会長の訪問を受けた
  • 2023年の刀ミーティング(スズキが販売していた名車「カタナ」のオーナーが集まるイベント)で、トラスが参考出品していたのが植物由来のカウル。ここから今回の採用につながっている
  • エリーパワーの蓄電池は、パドックに建てられたホスピタリティボックスへの電源供給にも使われていた
  • 消費期限切れ3k平織りクロスプリプレグの乾留品を再度プリプレグ化したJHIの再生CFRPをフロントカウル、ミドルカウル、ロアカウル、シェルター、シートカウルに使用
  • スズキ二輪事業本部 田中 強本部長(写真左)と、今回のチャレンジの陣頭指揮を執った佐原伸一プロジェクトリーダー
  • マシンはヨシムラのグラフィックパターンにブルーを基調としたものとなる

22年ぶりのワークス参戦で素晴らしい結果に

“コカ・コーラ”鈴鹿8時間耐久ロードレース第45回大会(鈴鹿8耐)が2024年7月19日(金)〜21日(日)、三重県鈴鹿市にある鈴鹿サーキットで開催。その鈴鹿8耐にスズキが22年ぶりのワークス体制で参戦しました。ゼッケン0をつけEXPクラスへ参戦した「Team SUZUKI CN CHALLENGE」のスズキ「GSX-R1000R」(生形秀之/濱原颯道/エティエンヌ・マッソン組)は見事8時間を走り切り、総合8位でチェッカーフラッグを受けました。

サステナブルで再びレースへ

スズキは、長らく活動を続けてきたMotoGP(FIMロードレース世界選手権)そしてEWC(FIM世界耐久選手権)から2022年シーズンをもって撤退をしていた。その理由についてスズキは「サステナビリティの実現に向け、経営資源の再配分に取り組まねばならない」としての決断だったとしている。

ところが、その撤退から1年半後の2024年の鈴鹿8耐に、2002年以来となる22年ぶりのワークス体制で参戦をした。そのチーム名に「CN CHALLENGE」と入っているように、この参戦はカーボンニュートラル(CN)社会の実現のため、環境負荷の低いさまざまな新開発部品を投入した2輪車で、鈴鹿8耐に参戦し、課題を克服しながら耐久レースの完走を目指し、環境性能技術向上につなげていく取り組みである。

今回の8耐に参戦する車両「スズキGSX-R1000R」には、40%バイオ由来のFIM公認サステナブル燃料「エルフMoto R40 FIM」をはじめ、ヨシムラジャパンの「触媒内蔵サイレンサー」や、ブリヂストンの「再生資源・再生可能資源比率を向上したタイヤ」、MOTULの「バイオ由来ベースオイル」、JHIの再生CFRPプリプレグ材による各種「カウル」。そしてトラスの「スイスBcomp社の天然亜麻素材を使用した前後フェンダー」など数々のサステナブルアイテムを投入。そして実験的クラスとして設定されている「EXP(エクスペリメンタル)クラス」からの参戦となった。

話は意外なほど早く展開

今回、その参戦について、田中 強(たなか つよし)スズキ2輪事業本部本部長に直接話を伺うことができた。そもそものこの参戦のきっかけは2023年の8耐の現場でFIM(国際モーターサイクリズム連盟)側から持ち掛けられた提案であった。

「スズキさん、興味はありませんか? 参戦するなら協力します」

FIMからの問いかけに、いったん会社に持ち帰った。

「将来的に検討していかなきゃなぁ、くらいに思っていたのだけど、秋ごろにはこの参戦について検討してみようという話になって」(田中氏)

話は意外なほど早く展開を始めた。その時、社内にはレースの体制もなく、車両もない。準備期間は1年もない。できるかどうか、わからない。

「いろいろと悩みつつ、ヨシムラさんに声をかけたところ全面的に協力をしてくれるという話になりました。燃料を確認してみたら、これ、イケるんじゃないか? ということで参戦に至りました」(田中氏)

それは2023年10月過ぎのことだった。

車両があるだけではだめで、レースにどこまでアジャストできるのか? そして8耐を走り切る機材も必要で、さまざまなものを借りながら、なんとか目途がついて間に合ったという。その準備の中でさまざまなサステナブルなアイテムの情報も集まってきていた。燃料の確認のためのエンジンのベンチテストだけで、何のテストもしていなかった段階だったものの、春先の東京モーターサイクルショーでの参戦発表となった。

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