JDMファンが注目する1台
2024年5月18日、アイコニック・オークショネアーズがイギリス・ノーサンプトンシャー州で開催したオークションにおいて日産「スカイラインGT-R V-Spec(R34)」が出品されました。2015年にイギリスに持ち込まれたR34型GT-Rは、その後、丹念なメンテナンスが施されてきた個体です。コンディションも優れており、注目の1台となっていました。
ヨーロッパでも人気のスカイラインGT-R
イギリスではJDM、すなわちJapanease Domestic Marketと呼ばれる、日本仕様として生産、販売されたモデルが中古車として大人気だ。それはオークション・シーンにおいても同様で、走行距離の少ない人気モデル、たとえばR32時代から続く日産「スカイラインGT-R」シリーズや、三菱「ランサーエボリューション」、スバル「インプレッサSTI」などは、その代表格といってもよいモデルたちだ。
その流行はアメリカから始まったとも言われているが、ここ最近のオークション市場を見ると、あきらかにヨーロッパ市場でもその傾向が強まっていることが分かる。今回紹介するのは、先日アイコニック・オークショネアーズ社が出品した、1999年式のスカイラインGT-R、しかもVスペックである。
イギリスにおいてR34スカイラインGT-Rは、JDM愛好家であろうがなかろうが、誰からも尊敬されている1台だ。それが歴史上最も象徴的な日本のハイパフォーマンスカーであることは間違いないし、プレイステーション世代の多くは『グランツーリスモ』を通じて、R34 GT-R Vスペックのドラマを初めて体験し、さらに映画『ワイルド・スピード』シリーズの登場によって、その第一印象はさらに刺激的なものになった。
アイコニック・オークショネアーズは、R34 GT-R Vスペックを上記のように紹介するが、それが名声を上げたのは、やはり現実の世界にほかならなかった。まちがいなくR34 GT-R V スペックは、1990年代後半のスーパースポーツの黄金期において、日本が生んだ最も象徴的で、かつ最も認知されたクルマだったのだ。
もちろんそれだけの賛辞の言葉を与えるには、たしかな理由がある。R33 GT-Rから、さらにアグレッシブにその姿を変えたボディは、より高いエアロダイナミクスと剛性を持つもので、さらにR33では一部のカスタマーに不評だったボディサイズの縮小も行われている。
ホイールベースは55mm短縮され、それがより軽快なハンドリングを生み出していることは容易に想像できるところだ。ちなみに空力面では大型のディフューザーに象徴される、アドバンスドエアロシステムを採用。R33型に引き続き、R34型もイギリスへの正規輸出が行われたのも、のちにその人気が大幅に高まる直接的な理由といえるだろう。
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