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2022年の日本上陸はどうなった? 気になる欧州大衆車オペル「コルサ」に乗って、アウトバーンで160キロ巡航をしてきました【Key’s note】

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TEXT: 木下隆之(KINOSHITA Takayuki)  PHOTO: 木下隆之(KINOSHITA Takayuki)

  • オペル・コルサ
  • オペル コルサ:シンプルなインターフェース
  • オペル コルサ:日本のコンパクトカーよりも存在感があるように見えるサイドシルエット
  • オペル コルサ:存在感のあるテールランプを採用
  • オペル コルサ:大衆車を感じさせないスタイリング
  • オペル コルサ:アウトバーンでの走りも十分な性能を発揮する
  • オペル コルサ:力強い走りを味わわせてくれる
  • オペル コルサ:欧州車らしい堂々としたスタイリング

モッカに続きオペルのエントリーモデルを試す

レーシングドライバーであり自動車評論家でもある木下隆之氏が、いま気になる「key word」から徒然なるままに語る「Key’s note」。今回のキーワードはオペル「コルサ」についてです。筆者はドイツにも活動拠点を構えて、ニュルブルクリンクで開催される耐久レースに年間エントリーしています。現地での移動は日本未導入のクルマも多いのですが、今回の相棒は、オペル コルサ。以前試乗した「モッカ」に続き、エントリーモデルであるコルサをアウトバーンなどで試乗。その実力やいかに?

けっして豪華さはないが基本に忠実な作り込み

以前、本コラムでオペル「モッカ」の試乗記を紹介したところ、なかなかの反響をいただきました。

かつてオペルは日本市場には欠かせないドイツブランドでしたが、度重なる経営危機や合従連衡の荒波に翻弄され、2006年を最後に日本市場への正規輸入が途絶えています。過去を知るユーザーにとっては懐かしい響きを持っているでしょうし、若い世代には耳にしたことのない新鮮なブランドかもしれません。期待を超える反響をいただいたのは、それが理由かもしれません。

もっともオペルは、日本への正規輸入が途絶えただけで、おもに欧州ではブランドとして確立しています。ドイツ本国だけではなく、英国ではボクスホール名で販売されており、爆発的に人気というわけではありませんが、安定したポジションを得ているといえるでしょう。

そんなオペルブランドの中でもっとも話題を独占しているモッカを紹介したわけです。モッカという聞きなれないネーミングもインパクトがあったのかもしれませんが、スタイリッシュなエクステリアだったこともあり、意外に好評のようなのです。

では、オペルの最量販モデルともいえる「コルサ」はいかがでしょう。

コルサのデビューは1982年です。当時、VW「ポロ」やフォード「フィエスタ」などがコンパクト市場を席巻していました。その対抗馬としてデビューしたのがコルサです。

コンパクトなボディに小排気量エンジンを搭載。コンパクトファミリーカーのコンセプトは6代目になっても変わることなく受け継がれています。サイズは全長は4060mm×全幅1765mm×全高1435mm。搭載するエンジンは直列3気筒1.2Lガソリンと、直列4気筒1.5Lディーゼルをラインアップしています。今回ドライブしたのはガソリン仕様でした。

大衆車の王道のような作り込みです。立ち位置は国民車ですから、ことさら高級感を求めているわけでも、趣味性を狙っているわけでもありません。ひたすら実直に、安価な大衆車の道を貫いているのです。

アウトバーンでもしっかりと走る

エンジンはいかにも3気筒らしいチープな振動がありますし、パワーも十分ではありません。それでもアウトバーンで160km/hを記録したことには驚かされました。つまり、加速は十分ではないけれど、アクセルを踏み続けていればアウトバーンの流れにも乗ることが可能という、ドイツの高速道路走行で必須な要件を満たしているのです。

走行シーン

内外装もことさら高級感を求めてもいません。各種スイッチ類も、必要最低限の装備が必要なその位置にあるだけです。最近では大型タブレット端末をそのまま組み込んだかのようなモニターが主流ですが、コルサはドットの粗い旧態依然としたインターフェイスです。むしろシンプルな構成に親しみやすささえ感じるほどです。

オペルブランドはいま、ステランティスのアライアンスに属しています。ステラテスジャパンはかつて、2022年には日本マーケットにオペルを投入すると発表しました。ですが、世界を震撼させたコロナ禍やロシアのウクライナ侵攻の影響を受けて延期。その後のアナウンスは一切ありません。再上陸の撤退なのか延期なのか不明ですが、ともあれ、再上陸するのであれば、コルサもラインアップに加わると発表されています。

そんなコルサが群雄割拠の日本マーケットで存在感を表すことができるのか、はなはだ心配ではあります。ですが、ともあれかつては日本に存在していたオペル コルサの日本再上陸を楽しみにしたいと思います。

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  • 木下隆之(KINOSHITA Takayuki)
  • 木下隆之(KINOSHITA Takayuki)
  • 1960年5月5日生まれ。明治学院大学経済学部卒業。体育会自動車部主将。日本学生チャンピオン。出版社編集部勤務後にレーシングドライバー、シャーナリストに転身。日産、トヨタ、三菱のメーカー契約。全日本、欧州のレースでシリーズチャンピオンを獲得。スーパー耐久史上最多勝利数記録を更新中。伝統的なニュルブルクリンク24時間レースには日本人最多出場、最速タイム、最高位を保持。2018年はブランパンGTアジアシリーズに参戦。シリーズチャンピオン獲得。レクサスブランドアドバイザー。現在はトーヨータイヤのアンバサダーに就任。レース活動と並行して、積極的にマスコミへの出演、執筆活動をこなす。テレビ出演の他、自動車雑誌および一般男性誌に多数執筆。数誌に連載レギュラーページを持つ。日本カーオブザイヤー選考委員。日本モータージャーナリスト協会所属。日本ボートオブザイヤー選考委員。
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