日本を代表するスポーツカーをデイリーユースにアレンジ
旧車ブームと言われるほど、懐かしのクルマに乗るオーナーが増えています。旧車乗りの楽しみ方は、人それぞれ想いの数だけ存在し、そのスタイルは何百何千通りもあります。ここで紹介する福池昭宏さんは、旧車を現代のクルマと同じようにイージーに乗れる仕様にして楽しんでいるひとり。愛車である日産S30型「フェアレディZ」をカッコよく快適に走れるよう、アレンジを加えています。
純正ベースで快適に走れるようチューニング
旧車には、現代のクルマでは失われてしまった要素が詰まっている。それをひと言で表すなら、「クルマでスポーツをする喜び」だろう。運転が楽しいのは、ハンドリングだけでなく、回転フィールと排気サウンドもスポーツカーとして作り込まれているエンジンの良さがあるからだ。そしてモデルごとに異なる個性をそれぞれが持ち、インテリアもシートポジションもスポーツカーという名にふさわしい設計で、その雰囲気と佇まいが絶妙でカッコいい。その徹底した作り込みは、当時を知る大人の心を満たしてくれる。これは旧車乗りの多くに共通する想いだろう。
日本を代表するスポーツカーである日産S30型「フェアレディZ」に乗る福池昭宏さんも、昔から憧れていたフェアレディZを大人になって手に入れたひとり。若い頃からクルマに乗ることもイジることも大好きで、メカニックとして高いスキルも持っている。しかし、愛車として所有するなら調子をうかがいながら乗るクルマは避けたいと思っていた。そこで、旧車でありがちな「古いクルマだからトラブルは仕方がない」という妥協を完全に無くし、イージーに乗れるようチューニング。エンジンの換装などはしたくない派なので、あくまでも純正ベースで手を加えている。
独自性の高いスターロード製のパーツキットを装着
外装については、福池さんが思い描くフェアレディZのスポーツカー像を表現している。ボディは珍しいイエローカラーのサファリゴールドで、スターロード製のパーツキットを装着する。フロントは大きく開いたフロントグリルが印象的で、シャープなエッジを持つリップスポイラーとの組み合わせによって迫力満点のノーズを成形。そこから後方に向かって流れるラインをオーバーフェンダーと3分割のリアウイングなどを組み合わせて作り込んでいる。
純正のフェアレディZはロングノーズのスッキリとしたデザインだが、福池さんの愛車はシャープな直線基調のデザインに曲線を交ぜることで、シンプルながらも独特の存在感を醸し出している。また、ワークススタイルのオーバーフェンダーに収まるタイヤはファルケンのZIEX ZE912、ホイールはスターロードのグロースターを組み合わせる。ホイールのセンターディスクはボディ同色に塗り、リムはポリッシュ仕上げで段リムを強調しているのもポイントだ。
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快適に走れるように組んだエンジン
エンジンは、信頼性という理由から定番のL28型改3.1L仕様を搭載する。このユニットならばすでに熟成の域に達しているので、油温と水温の管理さえしっかりすれば、ストリートでは何ら問題は起きない。福池さんと仲良しの旧車乗りも同じ仕様に乗っていることからも実証済みだったので、この仕様に決めたと話してくれた。
特別攻めるパワー志向ではないが、ハイカム、ポート研磨といった高効率化を計ったエンジンは、アクセルを踏み込むとメカチューンらしいサウンドでスピードが速い。とくに回転の上昇とともに轟くエンジンサウンドがたまらないという。
「旧車はお飾りではなく、乗って楽しむクルマです」
と話す福池さん。今のところスタイルに不満はなく、エンジンも気持ちよく回り、サスペンションも乗り心地が良くて大満足。飽きるまでは現状維持で楽しみ、走行中に気づいた点を少しずつグレードアップさせていくということだ。
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