いよいよ本格的に組み上げがスタート
筆者がコロナ禍にスタートさせた山遊び。やはり、自分の城が欲しくなるということで、50歳の記念に理想を追求したログハウスの建築がいよいよスタートしました。セルフビルドを予定していましたが、素人には限界があるとプロの手に委ねることに。プロの技が光る、基礎づくり編をお届けします。
理想のログハウスのためプロに依頼
2024年の春から本格的にスタートしたログハウス作り。例年なら4月の中旬までは雪でクルマを入れることができないが、幸か不幸かこの冬は夏の水不足が不安になるレベルで雪が少なかった。おかげで3月には着工し梅雨で多少の遅れはあれど、7月の終わりにはひととおり完成となった。
当初はセルフビルドで楽しみつつ節約と考えていたものの、いま厚意で使わせてもらっている知人の小屋を知れば知るほど、知識も経験もない素人には荷が重すぎて後悔するだろうと確信。そこで前々から何かにつけて山遊びのアドバイスをいただき、現在の小屋を建てたログハウス専門のビルダーに依頼した。われらが秘密基地からそれほど離れていない場所で、42年にわたりログハウスの製作を生業としているベテラン中のベテランだ。
まずは自分のやりたいことを箇条書きにまとめて、簡単なデザイン画を作ったうえで相談。絶対に譲れないポイントはロフトの両端がデッドスペースにならない片流れ屋根、そして室内に湿気がこもらないよう窓の数を多くしてサイズも大きくすることだ。また予算も上限を約250万円と決め、その範囲でプランニングしてもらった。
プロからの提案はログをそのままの形状で使うのではなく、真ん中で「D」型にカットして材料費を抑えること。室内側の断面が平らになれば壁ひとつにつき数cmとはいえ、空間を広く確保できるのも見逃せないメリットだという。これに関してはログをそのまま組んだ知人から、意外と圧迫感があるという感想を聞いていた。
またログを使うのは窓の下までに限定し、それより上は一般的なツーバイ材にする。これによって材料費をさらに抑えながら、見た目の安定感を出せるとビルダーは言う。とくに片流れ屋根は切妻屋根と比べて一方の壁が高く、下から上までツーバイ材だと腰高感が強くなるそうだ。
もうひとつ目からウロコだったのはロフトの作り。できるだけ室内の空間を広くする手段として、屋外に若干オーバーハングさせることにした。最初に決めたことはこのくらいで、あとは建設を進めつつ臨機応変に。こういった柔軟さはキットでないオーダーメイドならではの面白さだろう。
用地確保の伐採もプロの手に任せて大正解
工程としては最初に別の場所である程度まで仮組みし、並行して建てる場所の基礎工事という順で進んでいく。仮組みしている最中に何度か見学したのだが、不思議なのは壁ができるにつれ大きく感じること。一番始めにログの長さをチェックするためか、床のサイズに合わせて廃材を地面に並べていた。その段階では正直いって「意外に狭い?」と思っていたのだが、窓の下に当たる高さまでD型にカットしたログを組んだとき、さらに柱や梁が入るにつれて狭いというイメージは減っていった。
そして基礎の工事。建てる予定の場所には太い杉の木が15本ほど乱立しており、自分たちで伐採したらキリがないと林業の専門業者に依頼した。開拓を始めたころは小屋も倉庫もなく適当に倒せばよかったのだが、いまの状態では倒す方向もより慎重に定めなければならない。自分たちで倒すなら朝から夕方までやって2~3本が限界、しかしプロはわずか2日で15本と圧倒的なスピードだ。時は金なりということわざは真理だと改めて実感させられた。
次回からはいよいよ現地での組み立て。50歳を迎えた記念に作りたかった夢のログハウスが、徐々に現実のモノとなっていく様子は感動のひとことだ。完成するまでの日々も思いっ切り楽しみたい!