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「カウンタック」は「25thアニバーサリー」でも1億円超え! パガーニの創設者がデザインを担当したランボルギーニという価値がそろそろ浸透しはじめた!?

「カウンタック」は「25thアニバーサリー」でも1億円超え! パガーニの創設者がデザインを担当したランボルギーニという価値がそろそろ浸透しはじめた!?

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TEXT: 武田公実(TAKEDA Hiromi)  PHOTO: 2024 Courtesy of RM Sotheby's

もとは中東にデリバリーされた個体ながら、ついに1億円オーバーに到達

このほど「The Dare to Dream Collection」オークションに出品されたカウンタック25周年記念モデルは、シャシーナンバー「KLA12078」。調査によると、1990年7月27日にサウジアラビアの「アル・アジダ・オートモーティブ」社に新車で納車された個体である。特筆すべきは、このカウンタック ユビリオに搭載されるランボルギーニV型12気筒エンジンが、当初よりパワフルなキャブレター仕様であることだ。

その後、2014年に「The Dare to Dream Collection」に譲渡され、そのまま現在に至っているようだが、北米での車両登録履歴をFAXで取り寄せられる「カーファックス」の資料によると、購入時の走行距離はわずか621kmに過ぎなかったようだ

新車としてデリバリーされた際から「ロッソ・シヴィリア(Rosso Siviglia)」のボディカラーに、ロッソのパイピングが施された「シャンパン」レザーのインテリアが組み合わされた、このランボルギーニのオドメーターは、RMサザビーズ社が公式ウェブカタログを作成した際にも、わずか2660kmを示していたという。

2014年に作成されたサービスインボイスによると、このクルマは現オーナーへの譲渡直前にコスメティックの大規模な手直しが行われていたようだ。外観のペイントの色調を一貫したものとするべく、ボディ全体にわたり再塗装され、必要に応じて内装のレザーが補修された結果、こんにちの整然としたエクステリアとインテリアが実現した。また現在では、純正ポーチつきのツールキットとサービスマニュアルも付属している。

モータージャーナリストのジョニー・リーバーマン氏が2022年8月の米『Motor Trend』誌のレポートで述べているように、「カウンタックはスタンスであり、心構えであり、あるべき姿の記念碑である」。たしかにこれは、真のエンスージアストなら誰もが支持する結論だろう。

魅惑的な「スーパーカー」というジャンルにおいて、紛れもないアイコンであるランボルギーニ カウンタックは、そのパワフルなV12エンジンと大胆で革新的なデザインによって、フェラーリやマセラティというライバルスポーツカーメーカーに対抗する真のプレーヤーとして、ブランドを確固たるものにした。そしてパガーニとムナーリは、カウンタックを以前のモデルよりもはるかにドライバビリティの高い、快適な公道走行が可能なマシンへと仕立て直した。

リザーブなしで出品、その結果は?

この出品にあたり、RMサザビーズ北米本社は「25周年記念エディションは、カウンタックの特徴をさらに洗練させ、その奇抜さを増幅させた、究極のスーパーカーである」という謳い文句を添えて、50万ドル~70万ドル(約7476万円〜1億466万円)というエスティメート(推定落札価格)を設定した。

ところで、今回の「The Dare to Dream Collection」オークションは、すべて「Offered Without Reserve(最低落札価格なし)」形式で行われるというのが前提条件。したがってこのアニバーサリーも、たとえ入札が希望価格に到達しなくても落札されてしまう「リザーヴなし」で出品されることになった。

しかし、そんな「リザーヴなし」で起こりうるデメリットも、真のスーパースターであるこのクルマには関係なかった。競売が終わってみればエスティメート上限に近い66万5000ドル、日本円に換算すると大台を少しだけオーバーする約1億400万円という価格で落札されることになったのだ。

658台という、カウンタック史上もっとも多くの生産台数が計上された(ほかに諸説あり)アニバーサリーは、以前ならば歴代カウンタックのなかでも比較的リーズナブルな相場価格となるのが通例だったはず。また前世紀には、中東に生息していたヒストリーのある中古車は、少しだけ低めに評価される通例もあったと記憶している。

それでも、やはりランボルギーニ全体が高騰状態となっている今、さらに円安まで加味されてしまえば、1億円オーバーもあり得るということなのであろう。

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  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 1967年生まれ。かつてロールス・ロイス/ベントレー、フェラーリの日本総代理店だったコーンズ&カンパニー・リミテッド(現コーンズ・モーターズ)で営業・広報を務めたのちイタリアに渡る。帰国後は旧ブガッティ社日本事務所、都内のクラシックカー専門店などでの勤務を経て、2001年以降は自動車ライターおよび翻訳者として活動中。また「東京コンクール・デレガンス」「浅間ヒルクライム」などの自動車イベントでも立ち上げの段階から関与したほか、自動車博物館「ワクイミュージアム(埼玉県加須市)」では2008年の開館からキュレーションを担当している。
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