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マツダ「スクラム」にダイハツ「アトレー」のエンジンを搭載した理由とは? 元2輪ライダーが軽い気持ちで始めた「Kトラワールドシリーズ」で勝利するためでした

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TEXT: 青木邦敏(AOKI Kunitoshi)  PHOTO: 青木邦敏(AOKI Kunitoshi)

  • 「Kトラワールドリーズ」に参戦して年間王者を狙う“かんぴょう”さんのマツダ スクラム
  • マツダ スクラム:リアのリーフスプリングは逆付けでシャコタン化。さらにスタビを追加させてロールを抑え込む
  • マツダ スクラム:momoステアリングに交換されている
  • マツダ スクラム:ブースト計や油温計などが追加されている
  • マツダ スクラム:チューンドのアトレーターボエンジンに換装
  • マツダ スクラム:スズキ エブリイのOEM車なので、基本的に機能系パーツの組み換えはエブリイ用を流用
  • マツダ スクラム:インタークーラーはツイン装着させていて、フロントバンパーと助手席サイド後方の2箇所にマウントしていた
  • マツダ スクラム:エンジン載せ替えに伴ってエンジン制御はeマネージで行っていた
  • マツダ スクラム:助手席のポリタンクはラジエターを冷やすために装備する冷却用ウォータースプレーシステムだった
  • マツダ スクラム:タイヤはポテンザRE71RSをセット。サイズは165/55R14を履かせていた
  • マツダ スクラム:インタークーラーはツイン装着させていて、フロントバンパーと助手席サイド後方の2箇所にマウントしていた
  • マツダ スクラム:リアのリーフスプリングは逆付けでシャコタン化。さらにスタビを追加させてロールを抑え込む
  • マツダ スクラムと、オーナーの“かんぴょう”さん
  • マツダ スクラム:クラッチをメタルプレートに交換し、デフはクスコRS機械式LSDをセット
  • マツダ スクラム:Kトラワールドシリーズでの年間シリーズチャンピオンを目指す

元2輪ライダーがスクラムターボで軽トラレースのテッペンを目指す

かつてヤマハ「TZ250レーサー」でレースをしていたという“かんぴょう”さんは、バイクレースを引退したことを機に軽トラレースにハマってしまったひとりです。軽い気持ちで軽トラレースを始めたものの、そこは元走り屋の血が騒ぎ、気がつけばマツダ「スクラム」をレース最速仕様に仕上げるまでになっていました。

2輪時代に培ったメカの知識を駆使

走ることが大好きな大人が楽しむサンデーレースとして注目されているのがGTカープロデュースが主催する「Kトラワールドリーズ」だ。年間5戦のシリーズポイントで競い合うレースは、これまでコアなユーザーに支持されていたが、最近ではその気軽さから参加台数も増加。同時開催のサーキット走行会も含めて大盛況だ。

現在、60歳になる“かんぴょう”さんは、大昔、2輪レースを経験し、韋駄天の如くヤマハ「TZ250レーサー」で富士スピードウェイを駆け抜ける青春時代を過ごしていた。さすがにバイクレースは危険なので引退し、今はSNSで見かけた「観ても参加しても楽しめる軽トラレース」の触れ込みに誘われて、Kトラワールドシリーズにどっぷりハマってしまったと話す。

最初はお試しのつもりで参加した軽トラサーキット走行会だったが、走って見ればクルマは遅いけど、それなりに楽しめることを知ってしまった“かんぴょう”さん。そこから走り屋のスイッチが入ってしまったらしく、気づいたら自宅に置いてあったマツダ「スクラムターボ」をいかに速く走らせることを真剣に考える日々。若い頃に2輪レースで鍛えたテクニックとレースにおける勘所を活かすためには、マシンもそれなりのポテンシャルが必要と考え、次第にチューニングもエスカレート。その愛車は現在、流用パーツを駆使して、良く走り、良く曲がり、振り回して楽しめる仕様としてテコ入れチューンを施したという。

アトレーのターボエンジンをハイパワー化して換装

ご存じの方も居ると思うが、マツダ スクラムはスズキ「エブリイ」のOEM車なので、基本的に機能系パーツの組み換えはエブリイ用がそのまま使える。だが、根本的に搭載しているエンジンの戦闘力が低すぎるため、パワー不足はどうにもカバーできない。そこで“かんぴょう”さんは、エンジンを別の車種から流用できないかを模索。走りの好きの友人たちにも相談し、いろいろと調べた結果、ダイハツ「アトレー」用のターボエンジンがパワーもあり、若干の加工で搭載できることが判明。2輪時代に培ったメカの知識を駆使して、自分でアトレーターボエンジン換装を行ったそうだ。

また、エンジン載せ替えに際しては、よりハイパワーを狙うべく、知り合いのチューニングショップにお願いしてエンジン本体の高効率化とタービン交換を依頼。その内容とは、鍛造ピストン、ポート研磨、ハイカム、メタルガスケットによってハイブースト対応ユニットして作り込み、タービンも純正ベースでハイフロー加工を施したモデルに交換。最大ブーストはMAX1.3kgf/cm2を常時仕様として使うという。

>>>2023年にAMWで紹介されたクルマを1冊にまとめた「AMW car life snap 2023-2024」はこちら(外部サイト)

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