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LA行くなら『ブレードランナー』の聖地巡礼! 唯一現存する激レア戦闘機「F-20」に会えるカリフォルニア・サイエンス・センターも必見です【ルート66旅_64】

カリフォルニア・サイエンス・センターに展示されている、合計13機が生産されたA-12。1960年代には嘉手納飛行場に展開したこともあったようだ。1968年のフライトを最後にSR-71へ交代

LA中心部を走るルート66のすぐ近く、映画史に残る名場面のロケ地を訪ねて

広大なアメリカを東西2347マイル(3755km)にわたって結ぶ旧国道「ルート66」をこれまで5回往復した経験をもつ筆者が、ルート66の魅力を紹介しながらバーチャル・トリップへご案内。シカゴから西に向かいカリフォルニアへ、いよいよ旅も終盤です。今回はロサンゼルスに突入し、映画好き、クルマ好き、航空機好きにイチ押しのスポットを紹介します。

映画『ブレードランナー』の名シーンが撮られたブラッドベリー・ビルディング

美しいコロラド・ストリート・ブリッジを渡り、旅はいよいよ最終盤のロサンゼルスに突入する。ルート66は「シカゴからロサンゼルスまで」と表現されることもあるが、本当の終点というか西側の起点はさらに西へ進んだ海沿いのサンタモニカだ。ロサンゼルスのダウンタウンにルート66が通っていたのは初期にあたる1926年~1939年で、7thストリートとブロードウェイの交差点には「ロードサイド・アトラクション」の看板もある。交通量が多いので観光するならクルマを駐車場に停め、付近のスポットを含め徒歩でまわるのがベターだろう。

個人的なオススメは先の交差点から北東へ徒歩10分、1893年に建設されたブラッドベリー・ビルディング。外から見ただけでは周囲の風景に埋没した古いビルだが、内部は剥き出しのエレベーターに木製の階段が設けられ、天井はガラス張りでアメリカ西海岸らしい青空が広がる。

もっともイチ押しする最大のポイントはそこじゃない。ブラッドベリー・ビルディングが有名になった理由は1982年に公開された、映画史に燦然と輝くSF映画の金字塔『ブレードランナー』のロケ地だからだ。とくに主人公であるリック・デッカード(ハリソン・フォード)と、ロイ・バッティ(ルトガー・ハウアー)が決闘するラストシーン。観たことがない人のためにネタバレになりかねない詳細は控えるが、小学生だった自分ですら震えるほどの衝撃だったことを覚えている。

また日本人にとっては、吹き抜け窓を見上げるシーンに登場する、上空の飛行船に描かれた「強力わかもと」の広告も印象的だ。1階だけなら入居するオフィスの関係者ではなくとも入れるし、同じ目的の観光客も多いので、ぜひ映画を観てから行ってみよう。

クルマ好きならピーターセン・オートモーティブ・ミュージアムへ

続いてはダウンタウンを離れて西へクルマで30分、ピーターセン・オートモーティブ・ミュージアム。クルマ好きにはたまらない自動車博物館で、クラシックカーから最新のレーシングカー、そして数々のカスタムカーが展示されている。入場料21ドルに17ドル~の駐車料金は今のレートで考えると決して安くないが、単に珍しいクルマを見るだけじゃなく歴史や文化まで学べるのはありがたい。

カリフォルニア・サイエンス・センターは無料で見学OK

時間に余裕があればダウンタウンから少し南に位置する、カリフォルニア・サイエンス・センターも行ってみよう。ここが凄いのは常設展示エリアの見学がなんと無料であること。マーチフィールド・エア・ミュージアムの回で紹介した「SR-71ブラックバード」の前身である「A-12」や、わずか3機しか製造されなかった戦闘機「F-20タイガーシャーク」は無料のエリアに展示されている。なおタイガーシャークはすでに3機のうち2機が事故で失われており、カリフォルニア・サイエンス・センターにあるのが唯一の現存機だ。

ウェブサイトを見ると現在は展示を休止しているようだが、お金を払ってでも見るべきはスペースシャトル「エンデバー」だ。使用された1992年~2011年の間に25回のミッションをこなしており、毛利 衛さんら日本人の宇宙飛行士が多く搭乗したことで馴染みが深い。初めて訪れたときはちょうど夏休みのど真ん中で、展示ホールに入るまでだいぶ並んだ記憶がある。

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なおロサンゼルス中心部の治安は以前に比べ回復しているが、今もなお観光客が近寄るべきじゃないエリアは少なくない。くれぐれも油断して犯罪に巻き込まれることのないよう注意しながら、世界でも屈指の観光都市であるロサンゼルスを堪能してほしい。

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