コンディション抜群の1台だった
2024年5月29日、アイコニック・オークショネアーズがオンラインで開催したオークションにおいてスバル「インプレッサ P1」が出品されました。今回の出品車はシリアルナンバー「961/1000」ということで最後期に作られたモデルで、比較的最近エンジンのリフレッシュが断行されている、買い手にとっては狙い目の1台でした。
イギリスの道路に適した専用のチューンを施した
スバル「インプレッサ」には日本人にとっても少し特別な存在のモデルがある。それが「WRX」あるいは「STi」などと名付けられたハイパフォーマンスモデルだ。理由はラリーフィールドにおける圧倒的強さを示したことにある。インプレッサが世界ラリー選手権(WRC)に登場したのは1993年のこと。そして1995年からは3年連続してコンストラクターズ・チャンピオンに輝き、さらに1995年、2001年、2003年にはドライバーズタイトルも獲得している。
ドライバーズタイトルを獲得したのは、コリン・マクレー、リチャード・バーンズ、そしてペター・ソルベルグであったが、彼ら以外にもスバルをドライブしたラリーストは錚々たるメンバーがいた。創世期の1993年にはカルロス・サインツが、その後もユハ・カンクネン、トミ・マキネンなどがインプレッサをドライブしている。
そのインプレッサ、日本のみならず海外にもファンが多く、とりわけラリー人気があり、インプレッサの開発をイギリスのプロドライブが行ったことなどからイギリスでの人気が高く、WRXやSTiといった高性能インプレッサは、同じ右ハンドルということもあって日本からいわゆるグレーマーケットに多くのモデルが輸出されていたようである。そしてこうしたモデルに対抗すべくというか、イギリスの道路に適した専用のチューンを施したモデルとして開発されたのが、今回アイコニック・オークションに出品された「インプレッサ P1」なのである。