運を味方につけて勝利したチームは……
しかし、この51号車の最終スティントを担ったのは、昨年のル・マン24時間レースでは、フェラーリのハイパーカーをドライブして見事総合優勝を飾ったフェラーリの誇るワークスドライバー、アレッサンドロ・ピエール・グイディ! どうしてもスパでも優勝をしたかった彼は、必死に追撃し、まさに鬼の形相かと思うほどにどんどんとオーバーテイクをこなしていきますが、残念ながらあんなにも長く感じた24時間レースは無情にもここで終了。2位まで巻き返しましたが、本当に惜しい最後でした。
また、フェラーリに次いで2位は確実かと思われた998号車のBMW M4 GT3も最後2ラップのところでゴール目前でタイヤバーストをしてポディウムを逃しました。この2つのラッキーが重なったこともあり、アストンマーティンは1948年以来、大会史上2回目の総合優勝を果たして、ドイツ勢が圧倒的に強いこのスパで、新たな歴史を刻みました。24時間レース、最後の最後まで本当に何が起きるか分かりません。
台本のない人間ドラマも魅力の24時間レース
スパ24時間レースでもレースが終了するとファンの方がコースの上になだれ込んできます。私も毎年ファンの方と同じですが、オゥ・ルージュの傾斜が凄いことをあらためて実感しますし、縁石の上を歩いてみたり。スタートグリッドにいつもいる曲芸(?)のTotalのオネエサマたちも再び登場。表彰式を見た後はすぐにまたメディアセンターまで山登りをして、記者会見に参加して取材は終了です。
いったん宿に戻って荷物を置いて、地元の新聞社の方とお勧めのベルギー風ギリシャ料理のお店でお疲れ会を開催。まずは地元ベルギーの一番ポピュラーなジュピタービールで乾杯です。軽くてとても飲みやすい! 私が選んだのはちょっと日本のイカめしを思い出す風情のお料理で、イカの中にギリシャのお米風のパスタが詰めてあるものです。もちろん付け合わせに選んだのはベルギー名物のポテトです。新聞社の方はお肉モリモリの盛り合わせ。レースをあれこれ振り返り、お腹いっぱいになって早めにお開きです。
24時間レースではマシンの魅力もさながら、レースを通してさまざまな人間ドラマが垣間見られるところが大きな魅力のひとつかも知れませんね。今年は私の人生初となるデイトナ、ニュルブルクリンク、ル・マン、スパと4つの素晴らしい24時間レースを現地で取材できたことは大変貴重な体験となりました。あんなにもぐったり疲れたのに、もう来年がとても待ち遠しいです!