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カワサキが水素エンジンのバイクをお披露目! 市販化は2030年を目処…「Ninja H2 SX」ベースの「水素エンジンモーターサイクル」を紹介します

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TEXT: 青山義明(AOYAMA Yoshiaki)  PHOTO: 青山義明(AOYAMA Yoshiaki)

  • 鈴鹿8耐の現場に登場した「水素エンジンモーターサイクル」。トヨタが水素カローラでスーパー耐久シリーズに参戦しているが、同様に水素を燃料として燃焼させて走る乗り物となる
  • Ninja H2 SXをベースとした「水素エンジンモーターサイクル」。外観上大きな変更はない
  • 大きな変更は何もなく、既存の形状のままのH2。ガソリンタンク部分については「中身は空っぽ」とのこと
  • 世の中で使用されている水素タンクの中で最も小型なもの、ということでトヨタ ミライに使用される長さ684mm×直径299mm、タンク容量25.3L(1kg)の水素タンクを2本搭載する
  • 車両後部の2本のタンクケースの真ん中には水素の充填口も設けられている
  • 無事に走行を終えた「水素エンジンモーターサイクル」に関係者は皆、胸をなでおろしたという
  • H2のヘッドライトはHの形だが、この「水素エンジンモーターサイクル」のヘッドライトだと考えるとまた違ったイメージとなってくる
  • H2に搭載されている998cc直列4気筒スーパーチャージドエンジンは、水素燃料用に筒内直接噴射(直噴)仕様に変更している。コモンレール式で写真中央にある青いパーツ内から水素が流入していく
  • 松田義基カワサキモータース水素プロジェクト担当 兼 川崎重工業執行役員、市 聡顕カワサキモータース先行開発部長、そして担当ライダーが記念撮影に応えていた
  • 車体には伊藤忠商事とファミリーマートのロゴも掲示されている。またリアのタンクには、水素エンジンの基礎研究を目的とした技術研究組合「HySE(ハイス)」のロゴも

2030年ごろには実用化を目指す

夏の祭典として長くバイクファンに親しまれている2024 FIM世界耐久選手権“コカ·コーラ”鈴鹿8時間耐久ロードレース 第45回大会(以下:鈴鹿8耐)。そのレースウィークのイベントのひとつとして、カワサキが水素エンジン車両を8耐ファンの前で世界初披露し、実際に走行する姿を見せました。

既存のバイクに水素タンクを載せて

鈴鹿8耐のレースウィークとなる2024年7月20日(土)、ピットウォークの時間を使用して鈴鹿サーキットのコース上で、1台のデモランが行われた。この日は、鈴鹿8耐の本戦前日ということで午後にはTOP10トライアルなどが行われるものの、比較的余裕のある1日。そのピットウォークの時間に開催されたこのイベントは、会場に詰めかけた多くのファンの目をくぎ付けにした。

それが世界初披露となった、カワサキモータースジャパンが持ち込んだ、水素を燃料として燃焼させて走行する「水素エンジンモーターサイクル」である。カワサキではすでにハイブリッドバイク「Ninja 7 Hybrid/Z7 Hybrid」や電動バイク「NINJA e-1/Z e-1」」などを発表しているが、この車両の披露は、カーボンニュートラル世界の実現に向けてマルチパスウェイで取り組んでいくという姿勢の表れとなるのだろう。

スタッフの手押しでホームストレート上に持ち込まれた車両は、直前までコースを走行していたスマートなレース車両とは一線を画す仕上がりとなっていた。どちらかというと特撮ヒーローもので登場するようなゴテゴテ感がある1台であった。

その主たる要因は、車両後部におかれた2本の水素タンクとそれを覆うカバーの存在だろう。ツーリングバイクでも見かけるサイドバッグやパニアケースなどとは比較にならないような大きな「水素タンク」が車両に乗っかっているというイメージだ。

まだ、水素エンジン車両のための枠組みが用意されていないどころか、さまざまな規制もあって、今すぐこの形で販売されるようなことはない。そのような状況下で、燃料となる水素タンクを水素エンジン車両用に搭載するとなると、燃料電池車に使用している、現在入手可能な水素タンクを搭載するのが一番手っ取り早いということだろう。

トヨタ「ミライ」に搭載されている3本のタンクのうち、もっとも小さな水素タンク(70MPaで内容量1kg=約50L)をチョイス。これを2本搭載していることになる。何はともあれ登場と同時に「すごいぞ」感を感じることができた。

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