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毎日1000円を貯金してダイハツ「コペン」を新車購入! 40代から始めたサーキット走行…いまや63歳、まだまだ現役で走り続けます!

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TEXT: 佐藤 圭(SATO Kei)  PHOTO: 佐藤 圭(SATO Kei)

  • 今年で63歳になる金澤さんだがサーキットまでは常に自走というパワフルさ。レースが終わるとそのまま遠方へ出張に行くことも多い
  • ピークパワーは前の仕様におよばないが、中間トルクが太く非常に乗りやすいという。エビスサーキットとの相性は間違いなくいいはず
  • ECUはHKSのFコンVプロを使用する。現車合わせセッティングはコペン専門店「も。ファク」が担当。マフラーやエアクリーナーなど吸排気系も同じく「も。ファク」で統一する
  • フロントヘビーなFFだけにエンジンルームの軽量化は効果大だ。ボディはフルスポット増しが施され6点式ロールケージも装着済み
  • コクピットまわりには愛車のコンディションを把握するメーター類をまとめてセット。中心となるのはDefiの「アドバンスZD」だ
  • 1.6Lや1.8LのNAを上りのストレートで引き離す金澤コペン。東北660ターボGPでは長らくポールポジションが指定席となっている
  • レーシングスーツはイタリアから輸入。車両も人も安全装備に妥協しない姿勢は、これからサーキットを走る人はぜひ見習ってほしい
  • 現在のシリーズランキングは齋藤選手が2連勝でリード。次戦は真夏のスポーツランドSUGO、勝って卒業するためには優勝がマストとなる
  • 第2戦のエビスサーキット東コース、ライバルの齋藤博文さんと並んで1枚。親子ほどの年齢差だがよきライバルとして切磋琢磨する仲だ
  • レギュレーションにより排気量アップできないため、大きなタービンが諸刃の剣になることもある。今シーズンからはGBC14に変更し扱いやすさを向上
  • 今シーズンの第1戦はトラブルでピットスタートを余儀なくされ、第2戦は齋藤選手のアルトとバトルを繰り広げるも2.8秒差で2位となった

東北660ターボGPの絶対王者・金澤コペン

軽自動車レース「東北660シリーズ」のなかで、チューニングの自由度がもっとも高く、テクニックを競いつつカスタム欲も満たせるカテゴリーが「ターボGP」です。ダイハツ「コペン」で長年参戦するベテランドライバーのこだわりなどを紹介します。

大幅な仕様変更で最後(?)のシーズンに臨む

もともとは新規格NA軽自動車のワンメイクレースとして始まった「東北660」だが、当初から過給機の付いたクルマが走れるカテゴリーを望む声があった。それに応え2014年にフリー走行と模擬レースのクラスを新設し、2017年から現在のような「東北660ターボGP」としてスタートした。前身の模擬レース時代からほぼ全戦にエントリーし続け、トップに君臨しているのがL880K型ダイハツ「コペン」で戦う金澤延行さん(63歳)だ。

年齢的にも戦歴的にも大ベテランと呼ぶに相応しいドライバーだが、モータースポーツを始めたのは意外と遅く40代になってから。それまでは家族を最優先させつつ1日に1000円ずつ貯金し、子どもが大学を卒業したのを機にコペンを新車で購入した。納車された当日にすぐサスペンションを交換し、近場のみならず関西や九州のサーキットにも遠征。数々のイベントで輝かしい成績を残し、現在は東北660ターボGPとK4-GPが主戦場である。

金澤さんがエントリーしている最高峰1クラスのマシンは、タービン交換仕様でパワーは100psからが目安となる。エンジンは何度かのリメイクやオーバーホールを経て、2024年シーズンはさらなるアップデートを行った。以前はスポーツランドSUGOをターゲットにした高回転仕様だったが、パワーバンドが6500rpmからのため、低速コーナーも多いエビスサーキットでは扱いにくい。そこでタービンをF5からGBC14にチェンジし、4500rpmから使えるようになっているため乗りやすさはバツグンだ。

さらにボディはフルスポット増しが施され、ブレーキはFD3S型マツダ「RX-7」純正品の流用で制動力を強化する。足まわりはCRUXでスプリングはフロントが14kg/mmでリアが12kg/mm、前後7J×15のホイールにアドバンA052の195/50R15を組み合わせている。

ひと区切りをつけても走る楽しさは追求したい

走りの相棒として買ったコペンを23年にわたって乗り続け、気がつけば費やしたコストは合計で2000万円に迫るという。文字どおり人生の大きな柱となったレース活動だが、そろそろひと区切りの時期だと金澤さんは語る。とはいっても引退ではなく、チーム「トップ☆カロリスと」のメンバーと楽しむ耐久レースをメインに、今後は4WDのダイハツ「エッセ」をFR化しドリフトにもチャレンジしたいと、走る意欲はまだまだ衰えない。

そのため今シーズンどうしても達成したいのが、1クラスのライバル齋藤博文選手に勝利することだ。以前はスポット参戦が多かったHA23型スズキ「アルト」を駆るプライベーターで、2023年の後半にアンチラグシステムを搭載するニューマシンを投入。そのときはパイプ抜けで戦線離脱し金澤さんが勝利を収めたものの、2024年シーズンの第1戦と第2戦はいずれも齋藤選手の後塵を拝している。

後半戦の舞台はスポーツランドSUGOとエビスサーキット西コース。卒業に関しては勝って終わりにしたいと話している金澤さんが、好敵手を相手にどのようなレースを繰り広げてくれるのか期待大だ。

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  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 1974年生まれ。学生時代は自動車部でクルマ遊びにハマりすぎて留年し、卒業後はチューニング誌の編集部に潜り込む。2005年からフリーランスとなり原稿執筆と写真撮影を柱にしつつ、レース参戦の経験を活かしサーキットのイベント運営も手がける。ライフワークはアメリカの国立公園とルート66の旅、エアショー巡りで1年のうち1~2ヶ月は現地に滞在。国内では森の奥にタイニーハウスを建て、オフグリッドな暮らしを満喫している。
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