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日本赤軍に疑われながらも国境を越え…フランスで「発見」された博物館へ! おびただしい数のブガッティと希少な車が450台も並ぶ姿は圧巻でした【クルマ昔噺】

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TEXT: 中村孝仁(NAKAMURA Takahito)  PHOTO: 中村孝仁(NAKAMURA Takahito)

6台しかないブガッティ「ロワイヤル」が展示

そんなわけで、ようやく博物館に着いたものの、時間がなく慌てて三脚を立てながら撮影を始めたのだが、あまりの膨大さにいったい何を撮ったらよいやら、ただただ唖然とするばかりであった。ホントは収めたはずのブガッティ「タイプ32タンク」の写真などは未だに見つからない。

じつは博物館は実際にはオープンしておらず、ストライキをしていた工員たちの手によって、このミュージアムが白日の下にさらされたというわけで、いわゆる募金的にお金を払うと中に入れてくれる仕組み。だから、館内にはせいぜい数人がいただけ。まあ見事なほどクルマは汚れていて、おまけにフランス語がわからないので、正確に何が書いてあるか解らなかったけれど、コレットは月1500フランしかもらってなかった……みたいなことがクルマのウインドウに貼り紙がしてあった時代である。

今、この博物館はフランス・ナショナル・モーターミュージアムとして開館しているが、その雰囲気は初めて行った当時とは大きく異なっている。圧巻はやはりおびただしい数のブガッティ。とくに全部で6台しか作られなかった「ロワイヤル」のうちの2台がここにあり、まさに3台目を残っていたパーツから組み立てる最中に工場倒産、兄弟のバックレが起きたというわけだ。

個人の持ち物から今は組織化された国の財産に変わったことで、展示車両もだいぶ発見された当時とは異なっていて、公式ホームページを見ても、案外見慣れたクルマが多く展示されているように感じるが、1970年代当時はまさに見たこともないクルマがこれでもかというほどあって、私はここで生まれて初めて「ヴォアサン」というクルマを見たり、イスパノ「スイザ」やイソッタ「フラスキーニ」というクルマを見たりできた。時間が無くて最後まで粘ったのは私だけ。「あんたいい加減にしなさいよ」という感じで言い寄ってきたので、一緒に写真を撮って和んでもらい、少しの時間延長してもらったことを覚えている。

残念ながらかなりの数の写真が紛失して無くなっている。探してはみたものの、引っ越しをしたり、コンピューターを変えたりしているうちにどこかに紛失してしまったのだと思うが、残念だ。同じ場所には都合3度行き、3度目は今と同じナショナル・モーターミュージアムになっていたけれど、その時の写真も2度目の写真も見つからない。というわけで今回は残っている写真の数々を見ていただこうと思う。

■「クルマ昔噺」連載記事一覧はこちら

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  • 中村孝仁(NAKAMURA Takahito)
  • 中村孝仁(NAKAMURA Takahito)
  • 幼いころからクルマに興味を持ち、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾る。 大学在学中からレースに携わり、ノバエンジニアリングの見習いメカニックとして働き、現在はレジェンドドライバーとなった桑島正美選手を担当。同時にスーパーカーブーム前夜の並行輸入業者でフェラーリ、ランボルギーニなどのスーパーカーに触れる。新車のディーノ246GTやフェラーリ365GTC4、あるいはマセラティ・ギブリなどの試乗体験は大きな財産。その後渡独。ジャーナリスト活動はドイツ在留時代の1977年に、フランクフルトモーターショーの取材をしたのが始まり。1978年帰国。当初よりフリーランスのモータージャーナリストとして活動し、すでに45年の活動歴を持つ。著書に三栄書房、カースタイリング編集室刊「世界の自動車博物館」シリーズがある。 現在AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)及び自動車技術会のメンバーとして、雑誌、ネットメディアなどで執筆する傍ら、東京モーターショーガイドツアーなどで、一般向けの講習活動に従事する。このほか、テレビ東京の番組「開運なんでも鑑定団」で自動車関連出品の鑑定士としても活躍中である。また、ジャーナリスト活動の経験を活かし、安全運転マナーの向上を促進するため、株式会社ショーファーデプトを設立。主として事業者や特にマナーを重視する運転者に対する講習も行っている。
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