見た目だけじゃないカスタムの自由さに惹かれた痛車の世界
転機となったイベントの名は、愛知で開催されていたカスタム痛車最高峰のイベント「デイドリーム」だった。この会場に集まったマシンは、痛車ならではの華やかなラッピングだけでなく、外装、内装、機能系にいたるまで、それぞれのマシンが個性豊かなカスタムを施し遊んでいた。
“むらエボ”さんは、会場を埋め尽くしたカッコ良すぎるマシンの姿に圧倒され、その魅力にハマってしまった。もちろん、もともとアニメ好きなこともあったが、この自由すぎる世界は面白いかもと思って愛車のフルリニューアル化を決意したと話す。
彼の推しキャラはアニメ『ワールドウィッチーズ』の世界から『ストライクウィッチーズ』の「宮藤芳佳」と『ブレイブウィッチーズ』の「雁淵ひかり」のふたり。このキャラを左右に振り分けて、愛車のエボXにコンボラッピングを施している。
改造費用は1000万円オーバー
痛車の場合は、公式に使用許諾などは取らず、おそらく勝手にクルマのボディに描いていると思っているひとが大半ではないだろうか。だがじつは、みんな真面目に痛車として個人的に楽しみたいと、アニメーターに連絡して許可をもらってから製作に臨むことが普通だと“むらエボ”さんは言う。だから、自身も凝りまくった絵を考え、車両全体のラッピングCGが完成した段階で、作者にこんな仕上げになるということを見せて承認をもらったのだと話す。そして、そんなやり取りの流れから、ありがたいことに、本物のアニメーターの方から絵をプレゼントしていただいた。それをリアウインドウにシースルー加工を施した特殊フィルムで施工して貼っているのが一番自慢のポイントだという。
ボディラッピングの施工費用は80万円ほどかかっているそうだが、全体のトータル費用をあらためて計算してみると、驚くことにすでに1000万円近くに膨れ上がっていることが発覚! 知らず知らずにこんなに費用がかかっていたのかと驚いたらしいが、今後も自分の趣味として、少しずつ変化を加えながらカスタム痛車というジャンルを盛り上げ、楽しみたいと考えているそうだ。
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