メイド・イン・ジャパンのトレーラーが誕生
光り輝く銀色の姿に誘われて向かった先にあったのは、アルミ製のスタイリッシュでカッコいいトレーラー。このタイプのトレーラーでは、1931年にアメリカ・カリフォルニアにおいてワーリー・バイアムが生み出した「エアストリーム」がもっともよく知られた存在です。この丸みを帯びたアルミボディトレーラーを手がけたのは、両備ホールディングスという日本の会社で、その名は「GlobeR(グローバー)」。メイド・イン・ジャパンのトレーラーを紹介します。
航空機技術を取り入れて製作
グローバーの仕上がりを見る限り、和製エアストリームといった印象を強く受ける。本家エアストリームとの大きな違いは、このグローバーは長距離旅を楽しむトレーラー機能はもちろんのこと、定置ハウスとしての活用も考えて設計されている点にある。
設計については、元祖アルミボディトレーラーであるエアストリームが航空機のセミモノコック構造を採用するのと同じように、このグローバーも航空機の技術を用いて製作された。全体を覆うフレームは機体製造に精通する技術者が設計に携わり、高度な加工技術を使って骨格を成形。そのためフレーム剛性はとても高く、強靭であることはもちろん、耐久性にも優れた技術が注がれている。全体を覆うアルミ合金板は航空機にも使用される同素材のパネルを使用し、アルミ製リベットで美しく接合される。高強度でありながら、見た目も美しい外観を完成させた。
デザインは、R形状を活かしたミニマルデザインがスタイリッシュな仕上がりとなっている。余分な装飾を無くしたシンプルなアルミボディは、フロントもリアもコーナー部をR形状とすることで、独創的な外観デザインがさらなる魅力を引き出している。
このボディには、一番外側を覆うアウターリムのような枠がかぶさっている。これは航空機の主翼に装着するフェアリングに似せたデザインとして取り入れ、その素材は航空機の主翼に使用される部材を採用。航空機の技術を取り入れて製作されたグローバーならではの特徴だ。この枠の内側には電気系配線などが通り、外観をシンプルにスマートに見せるためのカバー的な役割もあるという。
航空機の技術を採用した箇所はほかにもあり、飛行機に詳しい人なら窓を見ればわかるだろう。ここにはシール加工を用いて、過酷な使用環境下でも耐えられるように工夫している。この特殊加工によって、長期間の使用においての信頼性も確保する。