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ついに3755キロに及ぶマザー・ロードの西の端、サンタモニカに到着! 太平洋を望む桟橋でたそがれるのは至上のひと時です【ルート66旅_65】

シカゴから西を目指した旅の終点はカリフォルニア州サンタモニカ

広大なアメリカを東西2347マイル(3755km)にわたって結ぶ旧国道「ルート66」をこれまで5回往復した経験をもつ筆者が、ルート66の魅力を紹介しながらバーチャル・トリップへご案内。シカゴから西に向かってカリフォルニアへ向かい、ついに終点のサンタモニカに到着です。旅人を迎えてくれる絶景スポットと、ルート66ファンならぜひ立ち寄りたいスポットを紹介します。

太平洋を望む屈指の観光地、サンタモニカ・ピア

イリノイ州シカゴから始まった、アメリカの母なる道を辿る旅。北方領土を含む日本の全長を超える3755kmを駆け抜け、いよいよ終点のカリフォルニア州サンタモニカに到着だ。

ルート66を走る旅人のほとんどがゴールと定めるのは、屈指の観光地であり太平洋を望むサンタモニカ・ピア。桟橋には「End of the Trail」の標識が立ち、眼前にはルート66で初めての大海原が広がる。長旅を締めくくるには最高のロケーションだが、じつは地図における本当の終点はここじゃない。サンタモニカ・ピアの入口から2ブロック東に戻ったところにある、オリンピック・ブルバードとリンカーン・ブルバードの交差点で、シカゴと同じく西を向いた側は「END」の看板が掲げられており、東向きは「BEGIN」の看板で西側の起点であると示している。ただし路駐できるスペースはなく交通量も多いので、写真を撮るなら近くの駐車場を利用するのが無難だ。

いずれにせよ海沿いまでほんの少し足を伸ばしたほうが、旅の終わりに相応しい情景と出会えることは間違いない。サンタモニカ・ピア周辺の有料駐車場にクルマを停め、国内外の観光客で夜遅くまでにぎわう桟橋を歩いてみよう。歩行者専用のエリアに入ってすぐ目に止まるのは、前述した「End of the Trail」と記された白い標識。左右に並ぶレストランやギフトショップを横目に桟橋の先端へ進むと、釣りを楽しむ人や双眼鏡を片手にイルカやアザラシを探す人が大勢いる。

夕方の太陽と空はまさしく絶景

私がオススメする時間帯はなんといっても日没が迫りつつある夕方で、太平洋へ沈んでいく太陽と鮮やかなオレンジに染め上げられた空は、マザー・ロードを走り終えた達成感と旅が終わる寂寥が入り混じり、毎度ながら涙が出そうなほどの感慨でしばし立ち尽くしてしまう。夜の帳が訪れても桟橋のにぎやかさは変わらず、ジェットコースターの音や子どもたちの遊び声、煌びやかなネオンサインで彩られたままだ。

ちなみにピアの建設がスタートしたのは1909年、ルート66が開通するよりだいぶ前だったとのこと。コロナ禍の最中は例に漏れず営業を休止していたそうだが、無事に再開し年中無休で営業時間は6~22時となっている。

ルート66ファンなら外せないスポットも

桟橋の上だけでも十分に楽しいしルート66グッズの買い物もできるが、オーシャン・アベニュー沿いのパリセイズ・パークも散策してほしい。サンタモニカ・ピアの入り口にあるアーチから徒歩5分、歩道から近くの芝生に古い記念碑を見つけられるはずだ。それがルート66の別名である「ウィル・ロジャース・ハイウェイ」の名を刻んだ銘板で、ウィル・ロジャースとは1879年に生まれ俳優やコメディアンとして活躍した人物。彼がアラスカ上空で1935年に飛行機の事故で不慮の死を遂げた17年後、ルート66協会によりウィル・ロジャース・ハイウェイが別名と認められた。

東の起点であるシカゴは年代によって異なる3カ所のスタート地点をすべて歩くのが恒例。対して西側の起点はオリンピック・ブルバードとリンカーン・ブルバードの交差点、桟橋の先端とウィル・ロジャースの記念碑をすべて訪ねるのが私のルーティーンだ。

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65回まで続いたこの連載も次でフィニッシュ。実際にルート66を走るときの注意点やありがちな誤解、全線走破に必要な日数やおおよその費用などをまとめてみたい。

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