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1億3000万円からのフェラーリ「SF90 XX スパイダー」を一般道で試す! 公道を走れるサーキットマシンは意外にも乗りやすかった!?

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TEXT: 大谷達也(OTANI Tatsuya)  PHOTO: Ferrari N.V.

公道での走りは「サーキットマシン」とは思えぬほど

ところが、乗り始めてすぐに、これが大変な勘違いであることに気づく。足まわりの「硬い」「柔らかい」だけでいえば、SF90アセット・フィオラーノよりもはるかにしなやかで、現行フェラーリのなかではもっとも長い時間乗り続けていたいと思う「296 GTB/GTS」に匹敵するほど快適。それどころか、荒れた路面では296 GTB/GTSのようにボディがかすかに揺さぶられることもなく、どっしりと落ち着いた挙動を示すので、296 GTB/GTS以上に乗り心地は良好といっていい。

そうした296 GTB/GTSとの差がさらに広がるのが高速域で、ボディはピターッとフラットな姿勢を保ち続け、路面からの衝撃はすべてサスペンションが吸収してくれるように感じられる。こうした質の高い乗り心地は、SF90 XXの優れたボディ剛性、そしてSF90を凌ぐダウンフォースが効いているはず。なぜ、ダウンフォースが増えたことで乗り心地がよくなったかといえば、乗り心地に関していえば、ダウンフォースは車重が増えたのと近い効果をもたらすから。これはサスペンションの設定次第でもあるのだけれど、どっしりとして安定した乗り味が楽しめるのはダウンフォースの効果だといって間違いないだろう。

同じ理由から、高速走行時のステアリングの「すわり」もバツグンによく、軽くステアリングホイールに手を添えているだけで矢のように直進してくれる。さらにはロードノイズやエキゾーストノイズも不当に大きいとはいえないので、長距離ドライブも快適そのもの。フェラーリのフィオラノ・サーキットでSF90の1分19秒を凌ぐ1分17秒309のラップレコードを打ち立てたことが、とても信じられないくらいだ。

発表後にはすでに完売!

じつは、筆者は2023年11月にSF90 XXをフィオラノ・サーキットで走らせたのだけれど、そのときのコントロール性にも舌を巻くばかりだった。なにしろ、当日はチョイ濡れの難しいコンディションだったにもかかわらず、タイヤがスライドし始める直前の感触を克明に伝えてくれるので、限界ギリギリのパフォーマンスを引き出すのは決して難しくなかった。正直、これまで私がフィオラノで走らせたどのフェラーリよりも、SF90 XXのコントロール性は高かったと断言できるくらいだ。

サーキットでは速いだけでなくコントロール性にも優れていて、公道でもバツグンの快適性を誇るSF90 XXで唯一、残念なのは、このモデルがもはや手に入らない点にある。SF90 XXにはクーペとスパイダーの2モデルがあるが、前者は799台、後者は599台の限定生産。しかも、フェラーリの限定モデルではよくあるとおり、2023年6月に発表されたときには、すでに完売となっていた。もちろん、我々にとっての障壁はそれだけではなく、価格も大きな問題のひとつ。なにしろ、クーペで77万ユーロ(邦貨換算約1億2000万円)、スパイダーが85万ユーロ(邦貨換算約1億3000万円)もするのだ。いずれにせよ、私のような庶民には到底、手が出ない高嶺の花であることには変わりない。

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