危なっかしい走りをする人はどの国にもいる!?
取材のため、ドイツを中心に欧州を東奔西走している池ノ内みどりさん。とあるイベントの取材に向かうため、片道600kmの移動開始です。バカンスシーズンと重なったこともあり、道路もサービスエリアも大混雑。日本とは少々異なる夏休みの高速道路事情をレポートします。
渋滞を避けて寄り道するのも楽しい
とんでもなく暑くなったと思ったら、ゲリラ豪雨で気温が一気に下がるというアップダウンが激しいドイツの夏。ドイツ北東のドレスデン近くにあるサーキット「ラウジッツリンク」へ、とあるイベントの取材に行ってきました。片道約600kmのドライブですが、流れの悪い試練のアウトバーンからスタートです。
バカンスシーズン真っただ中だったため、いつもより時間がかかることを見込んで早めに出発しましたが、やはり予想通りアウトバーンは混んでいて、速度制限解除区間でもスムーズに流れることはなく。ちょうどこの週末は、北欧のほかザクセン州やトゥーリンゲン州の夏休みの終わりだったこともあり、私が北上していたのと時を同じくして、夏休みを終えて帰宅する人々の渋滞にまんまと重なったわけです。普段はあまり見かけないスウェーデンやノルウェー、デンマークなどのナンバープレートをつけた、荷物でパンパンになったクルマやキャンピングカーを多く見かけました。
私がこの日走行したアウトバーンはアップダウンやカーブが多く、130km/h規制になっている区間も多いのですが、見るからに重量オーバーなクルマや牽引のトレーラー型のキャンピングカーがフラフラと左右に揺れている光景に遭遇してハラハラしました。
ただでさえ車重が重いことにくわえ、多くの荷物を積んでいるため加速はとても遅く……。速いクルマを先に行かせてから自分が追い越しをすればいいと思うのですが、今すぐにでも追い越しをしたいようで、突然車線変更をしてきて思わず叫んでしまうことも何度かありました。流れの悪いアウトバーンの走行はハイスピードで走る時よりも気疲れします。
途中のヘルツォーゲンアウラッハという街の近くでアウトバーンを降りてプチ休憩。この小さな田舎町はアディダスとプーマの本社が至近距離にあるのですよ。もともとは1920年代にこの地でルドルフとアドルフのダスラー兄弟が企業したスポーツシューズ屋さんから始まりましたが、仲たがいなどさまざまな理由で1948年にアディダスとプーマというそれぞれの会社に分かれてライバル企業になって現在に至ります。
両社ともに世界的な企業に成長し、大成功を遂げるだなんて、2人ともに素晴らしい商才があったのでしょうね。この両本社の敷地内にある大きなファクトリーアウトレットへ寄り、駆け足で掘り出し物をゲットして、再びアウトバーンへ戻り本日の宿へクルマを走らせました。
サービスエリア内も大渋滞……
このバカンスシーズンはサービスエリアも大混雑しますので、時によってはトイレも大渋滞です。ドイツのサービスエリアでトイレを使用するのは有料で、まずそのお金を払う機械の前でひと渋滞。そのゲートを通って、トイレの個室へ並ぶ順番待ちの渋滞があります。コロナ禍以前に比べると随分と減りましたが、観光バスで来られる中国やタイの団体旅行の方も多かったです。
ドイツのサービスエリアでは、ここ数年でEVの充電施設が随分と充実してきたことを実感します。この日に立ち寄ったサービスエリアの充電ステーションを見ると、スウェーデンのABB社製でした。ABBはフォーミュラEのスポンサードをしていることもあり、液晶ディスプレイにはフォーミュラEのマシンも映し出されていました。職業柄、そちらにも思わず目が行ってしまったのでした。イベントの模様は次のコラムでレポートしますね。