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「純白のメルセデス」が580万円で落札! 当時モノAMGキットを装着した「350SL ロードスター」でも手が届くドリームカーです

「純白のメルセデス」が580万円で落札! 当時モノAMGキットを装着した「350SL ロードスター」でも手が届くドリームカーです

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TEXT: 武田公実(TAKEDA Hiromi)  PHOTO: Bonhams

当時モノのAMGパーツで決めた、70~80年代感横溢の350SL

このほど、ボナムズ「AMG Rediscovered Online」オークションに出品されたメルセデス・ベンツ 350SL ロードスターは、R107生産初年度の希少な初期モデルで、「280SE 3.5」と共通のコンパクトな3.5L V8 200psのエンジンを搭載している。

もともとは左ハンドルのヨーロッパ仕様車で、ボディカラーは白に近いクリームベージュ。同色の取り外し可能な「パゴダ」スタイルのハードトップも取りつけられている。

また、バンパーやサイドスカート、フロントスカート、5本スポークをボディ同色で仕上げた「ペンタ」型AMG純正アロイホイールなど、当時のAMGキットをフルに活用してドレスアップされているのが最大の特徴といえよう。

さらにネイビーブルーのインテリアには、コントラストカラーのパイピングが施された濃紺の本革レザー張りの「レカロCアジャスタブル」スポーツシートを装備。標準のSL用シートよりもサポート性が大幅に向上しているだけでなく、快適性も改善している。

くわえて、当時のAMGの流儀に従ったローダウンスプリングも与えられていることから、時代を超越したR107系SLのスタイリングにアグレッシブなAMGテイストを加えた、1970~1980年代の時代感にあふれるルックスを誇っている。

「リザーブ」なしでもエスティメートを上回る

故バリー・テイラー氏のコレクションにあった間、この350SLは屋内に長期静態保存されていたという。しかし、ボナムズ・オークション社の管理下に移されたあとには走行しておらず、エンジンを再始動する前には一定のチェックとメンテナンスが必要とのことであった。

このAMGスタイルの350SLに、ボナムズ社は2万3000ドル~3万ドル(約342万円〜446万円)という、ちょっと控えめにも感じられるエスティメート(推定落札価格)を設定した。また、今回の「AMG Rediscovered Online」オークションの前提条件にしたがって、「Offered Without Reserve(最低落札価格なし)」での出品となった。

この「リザーブなし」という競売形態は価格の多寡を問わず落札できることから、とくに対面型オークションでは会場の雰囲気が盛り上がり、ビッド(入札)が跳ね上がる傾向もある。その反面、たとえ価格が売り手側の希望に到達しなくても、自動的に落札されてしまうリスクも内包している。

しかし昨今のクラシックカー市場におけるR107系人気が、メカニカルコンディションには不安があるはずのこの個体の評価も底上げしたのか、あるいは希少な当時物のAMG純正パーツを装備していることが評価されたのかは不明ながら、1週間のオンライン入札を終えたところで、エスティメート上限の約3割増しにも相当する3万9100ドル、つまり約580万円で落札されることになったのである。

>>>メルセデスの専門誌「only Mercedes」のvol.220を読みたい人はこちら(外部サイト)

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  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 1967年生まれ。かつてロールス・ロイス/ベントレー、フェラーリの日本総代理店だったコーンズ&カンパニー・リミテッド(現コーンズ・モーターズ)で営業・広報を務めたのちイタリアに渡る。帰国後は旧ブガッティ社日本事務所、都内のクラシックカー専門店などでの勤務を経て、2001年以降は自動車ライターおよび翻訳者として活動中。また「東京コンクール・デレガンス」「浅間ヒルクライム」などの自動車イベントでも立ち上げの段階から関与したほか、自動車博物館「ワクイミュージアム(埼玉県加須市)」では2008年の開館からキュレーションを担当している。
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