予選ポールのLEONが危なげなく勝利
2024年8月4日、富士スピードウェイでスーパーGT(SUPER GT)第4戦の決勝レース(77周)が行われ、GT300クラスで優勝したのは65号車LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/篠原拓朗/黒澤治樹)でした。決勝レースの模様をリポートします。
(motorsport.comの記事をもとに再編集しています)
予選はGT3勢が好調
前戦鈴鹿から2カ月のインターバルが空き、真夏の富士で前半戦最後のレースが行われた。フォーマットは初となる350kmだ。ピットイン回数の義務はなく各車1回ストップがセオリーとなるため、ピットウインドウなどを考慮しても戦略の幅は狭くなる方向と予想された。
週末を通して晴天となった富士は決勝日も酷暑に見舞われ、14時半の決勝スタート直前には気温35℃、路面温度は56℃を記録した。
GT300のポールポジションは開幕戦以来今季2回目となる65号車LEON。2番手以下には87号車METALIVE S Lamborghini GT3、4号車グッドスマイル 初音ミク AMG、777号車D’station Vantage GT3とGT3勢が続いた。ランキング上位につける2号車muta Racing GR86 GT、52号車Green Brave GR Supra GTはともに下位に沈んだが、お家芸のタイヤ無交換作戦での追い上げはあるかにも注目された。
オープニングラップは65号車LEONが一気に飛び出し、87号車METALIVE、4号車グッドスマイルがそれを追う形に。中団以降は序盤から波乱含みの様相で、61号車SUBARU BRZ R&D SPORTが6号車UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARIとの接触で左リアにダメージを負って緊急ピットイン(6号車はその後に黒白旗が掲示される)。9号車PACIFIC ぶいすぽっ NAC AMGと50号車ANEST IWATA Racing RC F GT3もトラブルに見舞われた。
そこから20周ほど、上位の順位変動はなし。首位の65号車LEONは87号車METALIVEに6秒の差をつけ、その5秒後方に4号車グッドスマイル、そしてそのすぐ後ろに777号車D’station、88号車JLOC Lamborghini GT3、56号車リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-Rが接近した。
その後もトラブルの連鎖は止まらない。96号車K-tunes RC F GT3がガレージインし、25号車HOPPY Schatz GR Supra GTはダンロップコーナー出口でストップ。25号車の回収のため29周目(GT300先頭は26周目)にフルコースイエロー(FCY)が出されたが、それに伴ってピットレーンクローズとなる直前にトップの65号車LEONがピット滑り込み。タイヤ交換、ドライバー交代を含む作業のロスを最小限に抑えることに成功し、大きく得をした形だ。
タイヤ無交換作戦でジャンプアップを狙うチームもあったが……
やはりと言うべきか、タイヤ無交換作戦を採るチームが出た。33周目でピットインした31号車apr LC500h GTはドライバー交代と給油のみでピットアウトし、上位争いを展開していた88号車JLOCの前でコース復帰したが、88号車をはじめとするフレッシュタイヤを履くライバルから猛攻を受けることとなり、順位を落とした。なおJLOCはこれまでのレースと同じく、負荷のかかるリアタイヤだけを交換してピット作業を終えたようだ。
レース後半まで長らくステイアウトを続けていたのが、タイトルコンテンダーの2号車mutaと52号車Green Brave。どちらもタイヤ無交換作戦を得意とするチームだ。43周で入ってきた2号車はタイヤ4輪交換を選択したが、翌周に入った52号車はピットボックスにタイヤを用意しながらも無交換でピットアウトしたものの、ペースを上げることができず順位を落としてしまった。
後続に対して圧倒的なマージンを持っていた65号車LEONは危なげない走りでトップチェッカーを受け、今季初勝利となった。2位は4号車グッドスマイル、3位は56号車リアライズだった。
2号車mutaはタイヤ4輪交換作戦を功を奏して8位入賞。この3ポイントも効いて、堤 優威/平良 響組は65号車LEONの蒲生尚弥/篠原拓朗組を抑えて2ポイント差でランキング首位の座を守っている。一方、タイヤ無交換作戦の52号車Green Braveはポジションを落とした後、トラブルからかガレージインして入賞を逃した。