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マクラーレンの超高性能モデルは別格でした…「P1」から始まったアルティメット・シリーズの超個性派モデルを一挙に紹介します

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TEXT: 山崎元裕(YAMAZAKI Motohiro)  PHOTO: 山崎元裕(YAMAZAKI Motohiro)

500台限定のうえに、さらに限定の特別仕様車も誕生した「セナ」

このP1シリーズに続いて、マクラーレン・オートモービルが発表したアルティメット・シリーズには、同社とも関係が深い「セナ」の名前が与えられていた。2017年に発表され500台が限定生産されたセナは、最初からサーキット走行を念頭において開発されたモデルで、したがってP1が採用したPHEVのシステムは採用されなかった。その姿はまさにレーシングカーといった印象で、特徴的なのは左右ドアの下部がオプションでガラス化できることで、これもサーキット走行時にはラインを見極める重要な要素になるのは間違いないところだ。

リアミッドのエンジンは、やはり3.8LのV型8気筒ツインターボ。最高出力は800psで、これには7速DCTが組み合わされる。軽量化のために標準モデルではカーボンファイバーを多用したインテリアや、アルカンターラの内張り等々、その仕上げはじつにスパルタンで、オーナーの中にはオプションのレザーインテリアを選択した者もいた。

このセナには、さまざまなバリエーションが登場している。2019年にはGT3カーのシャシーを採用し、さらにエアロダイナミクスを高めた3台の「セナGTR」が、また同年にはやはりマクラーレンのレース史には欠かせないCan-AmがGTRと共通のエンジンを搭載して3台のみを製造。さらには「セナLM」や「セナGTR LM」、「セナXPスペシャルエディション」なども続々と誕生している。アイルトン・セナの名前は、やはりマクラーレンにとって貴重であり、そして偉大なものであることがここからも分かる。

最高速400キロ超! フォーミュラEの技術を導入した「スピードテール」

このセナに続くマクラーレンのアルティメット・シリーズは、やや雰囲気を変えて3シーターのハイパーカーとして完成された。それはかつてマクラーレンが製作した「F1」と同じコンセプトを持つ、センターにドライバーズ・シートを配置する「スピードテール」だ。

このモデルの第一の魅力は、やはりその流れるかのようなボディデザインだろう。チーフ・デザイナーはロブ・メルヴィルに代わり、無駄を配した、まさにひとつの塊から削り出されたかのような美しさを持つ。パワートレインは4LのV型8気筒ツインターボエンジンに、フォーミュラEの世界から技術導入を果たしたというモーターを組み合わせたパラレルハイブリッド式。システム全体の最高出力は1070psにも達し、これが負担する車重は乾燥重量でわずか1430kgだから、0-300km/h加速の12.8秒というタイムにも、また最高速度の403km/hという数字にも十分な説得力がある。マクラーレンはこのスピードテールを106台限定生産する予定。デリバリーはすでに2020年から開始されているが、その106台のすべてにオーナーが決まっていることは最近のこのクラスのモデルでは珍しいことではない。

フロントウインドウをもたない究極の超軽量モデル「エルバ」

そして2019年、マクラーレンはP1、セナ、スピードテールに続くアルティメット・シリーズに、新たに「エルバ」の名前を付け加えた。そもそもこのエルバの名は、1960年に活躍したレーシングカー、「マクラーレン エルバ」に由来するもので、まず触れておかなければならないのはその超軽量設計だ。マクラーレンが公式に発表した乾燥重量はわずかに1148kg。対して搭載されるエンジンは、4LのV型8気筒ツインターボで、最高出力は815ps。エキゾーストシステムにはチタンやインコネルなどの軽量素材を用いるなど、軽量化への取り組みはじつに積極的だ。

さらに当初はフロントウインドスクリーンすら持たなかったエルバにはAAMS(アクティブ・エア・マネージメント・システム)が採用され、走行中にはフロントノーズから導入されたエアがコックピット前部のクラムシェルから排出され、これによってコックピットの上部を通過。不快なノイズや振動を感じない快適なキャビンが生み出されるという。2021年にマクラーレンは、フロントウインドスクリーンやほかの装備を搭載したモデルを発表するが、こちらも重量は20kgが増加したのみだ。

エルバの生産台数は149台。そのうちフロントウインドスクリーン付きの車両が何台製作されたのかは、マクラーレンからは明らかにされていない。

はたしてマクラーレンは、次なるアルティメット・シリーズをどのようなマシンに仕上げてくるのだろうか。時代が大きく変わる中での新型車開発。その行方は興味深い。

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