日本車好きオーナーたちの熱量に圧倒された!
バカンスを終えて帰るサンデードライバーに紛れて、苦労しながらイベント取材のために長距離移動をこなした池ノ内みどりさん。向かったのは、長年開催されているアジア車だけの巨大オフ会「Reisbrennen」。その多くが日本車とのことですが、個性的なカスタム車が多数エントリーしていました。イベントの模様をレポートします。
サンデードライバーに苦労しながらなんとか到着
先日、2024年で20周年を迎えた「Reisbrennen」というとんでもなく個性的なイベントの取材に、自宅のあるミュンヘンから向かいましたが、夏休み終了の州や北欧諸国からのバカンス帰りと重なり、渋滞やノロノロ運転にハマってぐったりな状態でホテルへ無事到着しました。
サンデードライバーの多い日曜日もそうですが、バカンスシーズンでも「あるある」の、バカンスの時しか長距離運転はしないというドライバーたちの存在が曲者です。荷物を詰め込み過ぎてクルマの重心が下がっているのが見た目でもわかりますし、とんでもなく重い車重ですからフラフラで危なっかしいので車間を空けるようにしています。車線変更をするのも面倒くさいのか、速度制限解除区間でもノロノロ運転で真ん中車線をブロックし流れを止める運転はキケンなので、トラックの後ろなどゆっくり走るレーンを走行してほしいものです。
そんなこんなで道中はぐったりしましたが、翌朝に取材のため会場へ向かうと、「ここは大黒ふ頭?」と勘違いしてしまいそうなラインアップです。大雨でどしゃ降りなのに、おびただしい数の日本車! 前日の道中でもトレーラーに載せられた「GT-R」や列になって走る日本車を数台見かけましたが、まさかこんな数だとは思いませんでした。
朝からさまざまなイベントが企画されていましたが、悪天候のために残念ながら中止となったものもいくつか……。それでも来場者はショップを見て回ったり、コースサイドに張り巡らされたテントで、コーヒーを飲みながらのんびり雨が止むのを待っていたりと楽しみ方は自由でゆる~い感じがまた心地良いのです。
日本車だけではなくアジア車のイベントなのですが、ざっと見る限りはその9割以上が日本車、それも旧車がとても多いのが印象的です。ちびっ子から年配者まで来場者の層が広いのにも驚きました。見た目はちょっとヤンチャ風な方が多くて、最初はちょっと後ずさりしてしまいましたが、外見で判断してはいけませんね。とても礼儀正しく、気さくでフレンドリー! 日本に行ったことのある方も、いつか行ってみたいと願っている方も、みなさんに共通しているのは「日本車大好き、日本大好き!」ということ。
個性的な日本車がズラリと並び圧巻
夕方からは雨もようやく上がり、パドックのイベントエリアにはゾロゾロとたくさんの来場者が集まってきました。会場内をあらためて巡ると昭和な車両ばかりの光景で、日本語で思わず「懐かしい!」と叫んでしまいそうなクルマや、日本人の私も見たことがないようなクルマもあり、ただただ驚くばかり。
そして、どれもこれもピカピカに磨かれ、非常に大切にされていることが一目瞭然! 日本でみなさんが手放したクルマが、ドイツで大切に乗り継がれているかもしれません。日本から購入し、車検のステッカーなどを残したままにしているオーナーも見かけました。何が記載されているかはわからないけど、日本語カッケー! ということらしいです。
いま旧車と呼ばれるクルマが現役当時に日本車をいじって楽しんでいた世代の方々も多くいらっしゃいましたが、何よりも驚いたのが20~30代のオーナーがとても多かったこと。なかにはクルマの方が年上という方も。いまやタッチパネルで操作するようなクルマが主流になりましたが、そんなハイテク車にはまったく興味がないとのこと。昭和なデザインのクルマを見て、ドイツの若者が「クール!」って言うのですよ。
また、リトラクタブルライトも人気でした。今のクルマには規制上装着できませんから、旧車では貴重な存在です。ドイツの夏もとても暑いですが、エアコンもないクルマを大切に乗ってくれています。
日本好きのイベントでは定番の「藤原とうふ店」とデザインされたクルマも多く見かけましたが、本家にはない配達車も。オーナーさんのこだわりが詰まっていて、どれもこれもが本当に愛おしくなります。ちょっとおかしい日本語Tシャツを着ている方も多かったですね。きっと日本人の着ている横文字Tシャツもとても奇妙な意味なんでしょう。お互い様です、お気に入りの洋服を着ましょう。
ところで、NHKの「どーもくん」が人気なのは、どんな日本車イベントに行っても同じ現象なのですが、なぜどーもくんがあんなにも人気なのでしょう。私は日本でどーもくんをクルマに載せている人に遭遇したことはありません……。