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小さいことは正義だ! ゴブジ号は駐車スペースで悩むことがありません…でも、隣にはみ出されることはあります【週刊チンクエチェントVol.44】

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TEXT: 嶋田智之(SHIMADA Tomoyuki)  PHOTO: 嶋田智之(SHIMADA Tomoyuki)

チンクエチェントに、停められない駐車スペースはない

そして、小さい=軽い、がそのままあてはまるのも素晴らしい。2代目チンクエチェントの車重は、これまた資料によって数値にわずかな違いはあるのだけど、初期に近い“500D”あたりでは485kg程度、最後期の“500R”でも525kg程度といわれてる。超軽量スポーツカーとして知られるケータハム セヴンのもっとも軽いモデルに匹敵する軽さなのだ。

実際、その軽さって、結構な場面で実感できたりする。エンジンのパワーやトルクが一般的なクルマと較べて圧倒的にたりないのに現在の交通の流れに何とかついていけるのも、見た目と違ってコーナリングが思いのほか軽快なのも、その軽さによるところが大きいな、と思えるのだ。それに、これもケータハム セヴンと同じっていえば同じなのだけど、駐車してクルマから降りて、駐車位置を微調整したいときなどには、乗り込んでエンジンを再始動して……なんてことはせず、ギアをニュートラルに戻してサイドブレーキを解除して、押す。ひとりで押したり引いたりする。その方がめんどくさくないし、時短に繋がったりもするのだ。信じられないという人がいるかもしれないけど、実に簡単、ひとりでできるもん、なのである。

そこで思い出したのだけど、これだけ車体が小さいと、駐車場でも停めやすいことこのうえない。車体が丸っこいからバックで駐車スペースに入れるときにまっすぐ収めるのがちょっと難しかったりもするのだけど、ワクからはみ出すということがあり得ない。軽自動車じゃないから“軽”と記されたところに停めることは絶対にしないけど、試しに入れてみるまでもなく楽勝。チンクエチェントに、停められない駐車スペースというのは存在しないのだ。

クルマは人を選べない……

そういう素晴らしく小さいサイズだからして、コインパーキングなどでもワクの中に収めるときの自由度が高いから、周りの状況とかを見ながら右端に寄せたり真ん中に置いたり左端に寄せたりしてるのだけど、特に右側にほかのクルマが来ない駐車スペースに停めるときは、僕は右側ギリギリに停めるようにしてる。左側に停まるクルマからのドア・パンチを可能な限り避けたいからだ。

でも、図々しいバカヤローというのもこの世には存在していて、呆れかえっちゃうことというのもあったりする。前回のメイン・カットはゴブジ号が大型SUVと並んで“980円屋根付きコインパーキング”に収まってるモノ。今回も別の日に同じ駐車場で撮った、大型SUVと並んだカットをオマケ的に入れてある。その大型SUVの右側のタイヤ位置。完全にこちら側のスペースに入り込んでるでしょ。僕が右側に貼りつくように停めてスペースがあったからといって、いくら車体が大きいからといって、さすがにこれは度を超してるよな、と思う。おまえのためにスペースを作ったわけじゃないぞ、とただただ苦笑い。いつの間にか出逢うことがなくなってたけど、この大型SUVはいつも決まってこの停め方だった。スペースにちゃんと収まらないなら収まる大きさの駐車場に入れろよな……。

まぁ僕としてはジャイアンにイジメられてるかのように見えていながらも存在感ではまったく負けてないチンクエチェントって、あらためてすごいな……なんて思えたりもして、そこはそこで喜ばしかったのだけど、同時にこういうことが平気でできちゃうオーナーに乗られるこのクルマがとても可哀想に感じちゃったし、こういうバカヤローがこのクルマのブランド・イメージを台無しにしちゃってるのだよな、とも思う。

人はクルマを選ぶことができる。でも、クルマは人を選べない。クルマやそのブランドのイメージが悪くならないような乗り手でいよう、と自戒を込めて……。

■協力:チンクエチェント博物館
https://museo500.com

■協力:スティルベーシック
https://style-basic.jp

■週刊チンクエチェント連載記事一覧はこちら

>>>フィアット&アバルトの専門誌「FIAT & ABARTH fan-BOOK」のvol.08を読みたい人はこちら(外部サイト)

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  • 嶋田智之(SHIMADA Tomoyuki)
  • 嶋田智之(SHIMADA Tomoyuki)
  • 『Tipo』の編集長を長く務め、スーパーカー雑誌の『ROSSO』やフェラーリ専門誌『Scuderia』の総編集長を歴任した後に独立。クルマとヒトを柱に据え、2011年からフリーランスのライター、エディターとして活動を開始。自動車専門誌、一般誌、Webなどに寄稿するとともに、イベントやラジオ番組などではトークのゲストとして、クルマの楽しさを、ときにマニアックに、ときに解りやすく語る。走らせたことのある車種の多さでは自動車メディア業界でも屈指の存在であり、また欧州を中心とした海外取材の経験も豊富。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員
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